2023年1月21日放送分 ネタバレ注意!
ありがたみわかり機(コミックス19巻収録)
「お腹がいっぱいだから」と食べ物を残すのび太くんに『ご飯が食べられるありがたみ』をわからせてあげた~い!!
そんなわけで、今から『ありがたみわかり機』を使って、のび太くんに腹ぺこのつらさを思う存分体験してもらいましょう。
この道具のなかで、どんな原理が働いているのかはサッパリわかりませんが、
『ありがたみわかり機』は、対象者にありがたみをわからせるためなら、どんな因果律でも捻じ曲げてしまう、とにかくすごいマシンである。
初見の皆さんにも『ありがたみわかり機』がどれだけすごいかをわからせるために、
まずはデモンストレーション代わりに、のび太くんの周囲から空気を消して、「空気のありがたみ」をわからせてあげましょう。
普段、なにげなく吸っている「空気」だって、
いざ無くなってしまうと、人間はあっという間に死んでしまうのである。 わかった?
ドラえもん自身は「絶対大丈夫」だという確信があったからこそやったんだろうけど、
一歩間違えれば、のび太くんが『食べ物のありがたみ』を知る前にお陀仏になりかねないようなパフォーマンスだった。
死ぬまでいかなくても、酸素欠乏の後遺症が残って、のび太くんのもともと悪かった頭がいっそうパーになったらどうするつもりなんだ?
空気がないと死んでしまう人間と、空気が無くても生きていけるロボット。
いくら心で通じ合えても、こういうところに、彼らとの決定的な感覚の違いが出てきてしまうものなのでしょうか。
まだ、『ありがたみわかり機』の本領をぜんぜん発揮していない段階だけど、
窒息死寸前の責め苦を受けるくらいだったら、どんなにお腹がいっぱいでも、ママが作ってくれたご飯を完食したほうが、ぜんぜんマシだと思える。
この道具は「ご飯を残したら、また空気を無くすぞ」と、相手を脅迫する形での使い方も出来そうです。
こうして、『ありがたみわかり機』で「食べ物のありがたみ」を教わることとなったのび太くん。
道具の効果によって、ことごとくメシが食べられない展開が襲ってくる!
相手投手が、のび太くん相手にフォアボールを出すなんて、
『ありがたみわかり機』の因果律操作がなければ、普通は起こりえない奇跡ですからね。(暴言)
「スネ夫の家の高級ディナーが食べられない」「ヤキイモが食べられない」などの、原作にない展開もあったりと、
今回のアニメの『ありがたみわかり機』は、なかなかにねちっこい性格をしていた。
われわれ人間は、食べられるものが直前で食べられなくなってしまうのが、精神的に一番キツいことを、この道具はよくわかっています。
床に落としたケーキも、イチゴだけなら食べられたような気もするけど、
食べようとしたら、ママから「床に落ちた食べ物を食べちゃいけません!」と怒られる展開が待っていそうだ。
「腹ぺこのあまり、そのへんの草を食い始めたらどうしよう?」とも思ったけど、これも食べたら食べたでお腹を壊してしまい、
よけいにお腹が空いてしまうトラップになっているんでしょうね。
「のび太くんが貰ったヤキイモを転がす」という目的のためだけに、
謎の急坂を出現させた『ありがたみわかり機』にかかれば、この程度の因果律操作など屁でもない!
それにしても、アニメ『ドラえもん』では、
お話の都合で、江島大橋ばりの急坂が定期的に登場している気がする。
少なくとも、原作ではあんな急坂は出てこなかったぞ。
誰かが「アニメ『ドラえもん』の急坂が出てくるお話リスト」みたいなのを、作っていたりしないかしら。
そんな『ありがたみわかり機』の「わからせ」を存分に食らったことで、
のび太くんも「お米ひと粒でも残さず食べるから~!」と大号泣。しっかりと「食べ物のありがたみ」をわかってくれたようです。
おかずは「味噌汁」に「メザシ」のみと質素な夕食ながら、
ご飯を美味しそうに食べるのび太くんの幸せそうなこと、幸せそうなこと!
こうして、のび太くんが「食べ物のありがたみ」を知った所で終わっていれば、
このエピソードは「食育アニメ回」として、全国小学校の道徳の時間で流してもらえそうなほどの内容になっていたのですが、
あえて、説教臭いだけの終わり方にせず、
「のび太くんが『ありがたみわかり機』でママを消してしまう」オチで落としてしまうのが、『ドラえもん』のいいところである。
『ありがたみわかり機』は、『どくさいスイッチ』の代わりとしても使えるのか・・・?
自分の息子の勝手で、強制的に半別居状態にさせられたパパがかわいそうだ。
でも、この直後にドラえもんが『ありがたみわかり機』を隠して、
のび太くんに解除スイッチを押させないようにすれば、彼も「ママのありがたみ」をわかってくれるかもしれない。
ママの代わりとして、のび太くんが家事全般をすることになったら、
あまりの大変さに、1週間も経たないうちに泣きベソをかいていそうな姿が容易に想像できます。
お母さんの大切さを知るには、これもいい機会かと。
というわけで、一本目の感想はここまで。
のび泥棒をタイホせよ!(アニメオリジナル)
2本目は、2015年11月27日放映分の再放送。
のび太くん達が、ひみつ道具『なりきりケイドロセット』を使った「未来のケイドロ」を楽しむお話です。
ドラえもんとのび太くんが、冒頭からいきなり「ケイドロ」をやる気マンマンだったのが、ちょっと面白い。
今回のアニメでは描かれこそしなかったけど、
『なりきりケイドロセット』を見つけたのび太くんによって、
「この道具を使って、今からみんなで遊ぼうよ!」とドラえもんに提案する、いつものくだりも恐らくあったんでしょうね。
カットされたであろう部分も、見てみたくなってきた。
ゲーム開始前に行われた「ドロボウチーム」と「警官チーム」とのチーム分けにて、
ドラえもんから「チームはバランスよく公平に振り分けてくれる」との説明がありましたが、
出木杉くんとのび太くんが同じ「ドロボウチーム」になっていたところを見るに、
前述のドラえもんの発言は、少なくともウソではないと思われます。
本人はけっしてふざけることなく、真面目に逃げようとしていたのに、
ゲーム開始からわずか1秒で捕まってしまうような男を救えるのは、出木杉くんしかいない!
あと、ピストルが使える「警官チーム」にのび太くんが属していなかったのも、
チーム編成のバランスがうまく取れている証拠かと。
ドロボウチームでは、全くのダメダメだったのび太くんだけど、
もしも警官チームにいたら、うって変わって大活躍できていたのかもしれません。
そしてこの回は、出木杉くんが相変わらずの完璧超人っぷりを見せつけてくれるお話でもありました。
小学生にして、あんなアクションスターみたいな身のこなしができるの、すごくないですか?
ドロボウチームの勝利に貢献するほどの活躍をしていた出木杉くんだけど、
SNSを見たら「彼が映画に出れない理由がわかる回」といった感想がやたら多く寄せられていたような気がするのは、何故なんだろう?
たまには出木杉くんが無双するだけの『映画ドラえもん』だって、一度くらいは見てみたいぞ。
いちおう『のび太と空の理想郷』の予告編を見る限りでは、出木杉くんの出番は一応あるっぽいんですけどねえ。
ただし、出木杉くんがドラえもん達と一緒にパラダピアには行けるかどうかは、まだわかっていません。
はじめからパーフェクトな人間が、パーフェクトな人間になれる理想郷に行ける可能性は、だいぶ低そうだ。
そんなパーフェクト人間・出木杉くんですが、
ドロボウチームに成りすましたしずかちゃんのスパイ作戦に、あっさりと引っかかってしまった。
出木杉くんはいい人すぎるがゆえに、人を疑うことができないんでしょうなあ。
ただでさえ高い彼の評価が、ますます上がってしまう。
今度から出木杉くんのことを、「ドラえもん界のHIKAKIN」と呼ぶことにしようかな。
結果的には、のび太くんが風呂敷でどこかに飛んで行ってしまったおかげで、ドロボウチームが勝利を収めた。
「ゲームフィールドである町内を出たらルール違反」となる中で、
町内を一度も出ることなく、警官チームの誰にも見つからないままでいられたのび太くんは、やっぱり何かを持っている。
出木杉くんよ、よく見ておくんだ。
漫画の主人公たるもの、これくらいのラッキーは持っていて当然!・・・なのか?
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
映画『のび太と空の理想郷』にちなんだ、新コーナーが今週からスタート!
「雲先生」こと荒木健太郎先生が、空の楽しみ方をみんなに教えてくれるらしいぞ!
記念すべき第1回は、空にラクガキをして楽しもうといった内容。
基本的にラクガキはどんなものにやっても面白いですからね。すなわちハズレがない。
<関連リンク>
より詳しい解説も掲載されているので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。
雲の形が他のなにかに見えてしまう『パレイドリア現象』は、
今週の1本目のお話で、腹ぺこ状態ののび太くんがなっていたやつですね。まさかのシンクロだ!
■次回予告■
次回の放送は1月28日。
「鬼のパンツはいいパンツ?」「雪だるまが町にやってきた」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(巨大ロボットで雪あそび!?&夜空に輝くピザ・ギョーザ[再])
次回の感想:ドラえもん感想(鬼のパンツはいいパンツ?&雪だるまが町にやってきた[再])