2月10日発売、ヤングジャンプ2022年11号掲載『イビルヒーローズ』第31話の感想です。
ネタバレもありますので、未見の方は注意してください。
ふくりゅうの家を守るために「ミラージュ仮面」となった十条寺郷士による、
「ヴァーミリオン・ナックル」と「カーマイン・マインドハンド」との戦いが、いま始まる!
ただ、先にオチを言ってしまうようで申し訳ありませんが、
ヴァ―ミリオンとカーマインは、この回であっさりと倒されてしまいました。
バトルだけでなく、十条寺やヴァーミリオンたちの過去回想も描くとするなら、
この「ふくりゅうの家」パートだけで4週くらいはやるんじゃないか?と思っていたので、なんだか肩透かしを食らったような気分だ。
十条寺がカオルさんと決別してしまった過去など、
このバトル展開で描けそうかつ、自分が気になっている事柄はけっこうあったんですけどねえ。
劇中でサラっと触れられていた「ヴァーミリオン・ナックルには視力がない」という設定も、
それなりに理由がありそうなのに、けっきょく語られずに終わってしまった。
視力がなくなったから、ヒーローになったのか。
それとも「打撃能力に全振りするヒーロー」になった結果、視力を失ったのか。
ヴァーミリオンの過去にいったい何があったんだろう?
視力に頼らず、相手の気配だけで戦うヴァーミリオンと、
相手の心を読める能力を持つカーマインとの相性の良さを考えると、じつはこの2人は夫婦だったという裏設定もありそうではある。
この2人の英雄の過去もいろいろ掘り下げたら面白そうだったのに、
早々と負けてしまったが故に、そのエピソードを描かずに終わってしまうのは本当にもったいなく感じます。
あんなに魅力的なキャラではあるけど、彼の過去が描かれたことはそんなに無かったりする。
自分のような一読者としては、過去回想を描いてほしいけど、
作り手側としては、あえて「過去回想を描かない」「本当は描きたいんだけど・・・」といった選択肢もあるのかもしれません。
十条寺が老体に鞭を打ち、ヴァーミリオンの攻撃の足止めをしたおかげで、
杏やシュウジ、カオルさんが「改人」として覚醒する時間を稼ぎ出すことが出来た。
カオルさんたちは、謎のオーラを放ちながら戦うとともに、
かなりのパワーアップに成功していたようだけど、これも全ては寄生生物(パラ子)のおかげなんでしょうか。
第30話にて、カオルさんは「(私たちは)繋がると強くなる」と言っていたけど、
これで「パータッチ」のように、パラ子を通して繋がる人数が多ければ多くなるほど、どんどん強くなっていく単純なシステムだったらありがたいのに。
ふくりゅうの家サイドがパラ子100人同時接続状態で襲いかかれば、
國島ハクの配下ヒーローたちも、意外と簡単にやっつけられちゃうかもしれないぞ。
そしてさりげなく、非戦闘ポジションであるリツカちゃんまで覚醒していたところも、今回の注目ポイントのひとつではあった。
リツカちゃんも、今後はイビルヒーローと戦ったりするのだろうか?
展開の都合上、十条寺の扱いが若干ギャグっぽく描かれてしまっていたけど、
「昭和英雄」として、「ミラージュ仮面」としての十条寺の意地は、しっかりと見届けさせてもらいました。
今回の十条寺の戦いは、情けないようで、逞しくもあった。
ヴァーミリオンたちを斃したことで、「ふくりゅうの家」はひとまずの危機を脱することができたので、
次はヒデオくんとソニックが、バニシング・スペースグレイをやっつける番だ!