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ドラえもん感想(ハリーのしっぽ&ポスターになったのび太)

 

 

 

 2021年12月11日放送分  ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

ハリーのしっぽ(コミックス第33巻収録)

庭の物置の掃除中に見つかった、のび太のひいひいおじいさんにあたる人物・のび吉が書いた巻き物

 

その巻き物に記されていた「天からの災い」「我は九死に一生を得たり」といった不穏なワード。

そして、幼少時ののび吉おじいさんの「ハリーがやってくる」という発言が意味するものとは・・・!?

 

 

 

 

とりあえず、のび太くんの学校の先生にそっくりな、のび吉の学校の先生の言うことにゃ、

 

まもなく、地球にやってくるらしい ”ハリー”とは、

「しっぽの先に毒が含まれていて、そのしっぽが地球をかすめる時、一時的に地上から空気がなくなる」特性をもつ、かなり恐ろしい怪物であるらしい。

 

 

そして、この話を聞いたのび太くんは、

「ハリーの正体、巨大サソリ説(しっぽに毒を持っているから)を力強く主張していましたが、はたして。

 

 

 

 

 

もちろん、ハリーによって地球上の空気を全て奪われたら、当然人類はみんな死ぬわけですが、

 

これまた、のび吉おじいちゃんの学校の先生の話によると、

「ハリーによって地上の空気がぜんぶ無くなっても、5分間息を止めていれば助かるらしい」という、逃げ道もあるんだとか。

 

 

 

 

でも、実際に地球上から空気が無くなったら、呼吸できないどころの騒ぎじゃ済まされないだろうし、

一応ググってみたら、やっぱり呼吸どころの話じゃ済まなさそうだったので、

 

”ハリー”はやはり、地球に近づいただけで人類滅亡させかねない存在であることがわかる。

 

 

 

近い将来、本当に「地球上の空気をすべて奪い取るバケモン」があらわれた時は、

みっともなく悪あがきをするよりも、素直に「死」を覚悟したほうがよさそうです。

 

 

 

 

「地球最後の日になったら、何がしたい?」系の質問は、

普段だと、大概どうでもいい話題として処理されてしまう案件ですが、

 

いずれ”そんな日”が来た時のために、いま一度真面目に考えるべき問題なのかもしれません。

何かがあってからでは、遅いのです。

 

 

 

 

あと、この「5分間呼吸を止めていれば大丈夫説」を聞いて、

 

以前、ドラえもん『スリルブーメラン』の回で、

「息を吐かなければ宇宙服無しでも30秒くらいなら大丈夫」なる、真偽不明の謎情報を話していたことを思い出してしまった。

 

 

にわかに信じがたい情報だけど、このライフハックは果たして本当なんだろうか?

「この先、自分が宇宙に行った時にやってみたいこと」のひとつとして、胸にしまっておこうと思います。

 

 

 

 

いまの時代の観点から見れば、無駄な悪あがきにすぎない行為ですが、

インターネット情報や、天文学の知識もなかった明治時代の人たちは、自分たちが生き残るために、5分間の息止めにすべてをかけるしかなかった。

 

 

 

「自転車のチューブに空気を貯める作戦」をジャイアンの先祖(?)たちにパクられてしまい、

すっかり落ち込むのび吉おじいちゃんを助けるため、空気をパンパンに詰めこんだ浮き輪を提供することにしたのび太くん。

 

自分の目の前に転がってきた謎のブツに空気が詰まっていることに気づいたのび吉おじいちゃんは、とうぜん大喜びだ!

 

 

 

のび太くんが、物置掃除の際に「いつか僕の命を救うかもしれないのに」と語っていた浮き輪が、

100年前のご先祖様の命を救うことになるかもしれないと思うと、なんだかグッとくるものがありませんか?

 

 

 

 

でも、のび太くんのことだから、

酸素ボンベから浮き輪に空気を入れたのではなく、自分の息で浮き輪を膨らませてしまうケアレスミスをやっちゃってそうな気もする。

 

 

のび吉おじいちゃんが、浮き輪のなかの空気を「新鮮な空気」だと思い込み、

のび太くんの吐いた息で、一生懸命呼吸している姿を想像したら、なんだか悲しくなってきたぞ。

 

まあでも、そこはドラえもんのフォローによって、ちゃんと酸素ボンベを使ってくれたものだと信じたい。

 

 

 

 

 

そんなわけで、終盤にネタばらしもありましたが、

「地球の空気をごっそり奪い取ってしまう怪物」こと ” ハリー ” の正体は、『ハレー彗星』のことであった。

 

前回の再放送も含めたら、2週連続で「隕石で人類滅亡ネタ」が続いたことになりますね。

この日〇終わり、悲しきかな!

 

 

 

 

お話の元ネタ的に、次にこのお話がアニメ化されるのは、

次にハレー彗星が最接近する予定の2061年頃だと思っていたのですが、自分の予想より40年ほど早めのアニメ化となりました。

 

 

 

今回のアニメで、原作(初出:1984年)との時代のツジツマをあわせるため、

のび太』と『のび吉おじいちゃん』の関係が「ひいおじいさん」から「ひいひいおじいさん」に変わった結果、

 

のび吉おじいちゃんと、野比のびるの間に、

謎のバーチャルおじいさんが生まれてしまったことになるけど、それは大丈夫なんだろうか?

 

 

 

 

数週前のアニメで「野比家は借家設定」を出して、ネット界隈がちょっと騒然となったばかりなのに、

今週のお話では野比家は明治時代からあの土地に住み続けている設定」になっていたりと、

 

ここ最近のアニメ『ドラえもん』は、一般ドラえもん視聴者を混乱させるような展開が多いぞ!

 

 

 

 

 

あと、今回のアニメでは、

約100年前の世界にやってきたドラえもん達が明治時代の町を楽しむという、原作にはなかったくだりも追加。

 

とつぜん目の前にあらわれた謎のタヌキロボットに対し、

どら焼きやラムネをご馳走してくれた明治時代の人たちは、じつにいい人だ。

 

 

 

あっさり返り討ちにしてやったのび太くんに対して、

「100年早えーぜ!」と捨て台詞を吐いていたジャイアンの先祖たちも、

まさか相手が約100年前から来た人物だとは、夢にも思ってなかったにちがいない。

 

 

 

 

 

のび吉おじいちゃんが「子孫のために」残してくれた浮き輪を発掘し、おもわず苦笑いを浮かべるのび太くん。

 

 

 

物語自体は、ご先祖様の通り越し苦労というか、ありがた迷惑といった感じのオチだったけど、

 

個人的には、のび太くんとそんなに年齢が変わらないはずののび吉おじいちゃんが、

あの齢であんな立派な文章を書けていたことがすごいと思いました。

 

 

 

のび吉おじいちゃん、じつは文才のある人物だったのだろうか?

それとも、誰かにお願いして、それっぽい文を代筆してもらっただけかも。

 

 

 

 

 

そんなわけで、一本目の感想は以上です。

 

 

 

 

 

 

ポスターになったのび太(コミックス第33巻収録)

 

(おもしろい)

 

 

 

 

そろそろ年末の大掃除シーズンも近いということで、

今週の2本目は、部屋のお片づけに役立ちそうな『かるがるもちはこび用紙』が登場するお話です。

 

 

でも、このお話では、

のび太くんがポスターになり、しずかちゃんの私生活をのぞき見する」という、かなり不純な使われ方をされてしまうのでありました。

ひみつ道具をエロ目的で使いだしたら、人として終わりだぞ!!

 

 

 

『あとからアルバム』『いつでもどこでもスケッチセット』など、

今回のように「本来の用途とは違う形で使われてしまった哀れなひみつ道具集」みたいなの、一度まとめてみたいです。

 

 

 

 

それにしても、1本目のお話にひきつづき、

2本目のお話でも、野比家が物置掃除をしていたのは、さすがに何とかならなかったものか。

 

これでは、『ドラえもん』をまったく知らない人が今回の放送を見たら、

野比家は毎日物置掃除をやっている家庭なんじゃないか?と、いらぬ誤解を招いてしまう恐れがある。

 

 

 

じつは、今回のアニメにおける『ポスターになったのび太』は、

わさドラ時空だと、1本目の『ハリーのしっぽ』の翌日という設定のお話だったりするのかも。

 

前日に物置の整理をして、翌日にいらないモノを捨てるのは、べつにおかしな話じゃないですからね。

 

 

 

 

 

当人不在のまま、玄関前に放置された、

同級生男子がモチーフのポスターを、自分の部屋の壁に貼ってくれるしずかちゃんは本当にいい人だと思うし

 

ポスターのふりをして、しずかちゃんの私生活をのぞき見するのび太くんは、なかなかキモチワルイことをしていると思う。

 

 

江戸川乱歩『人間椅子』も、確かこんな感じのお話だったぞ。

でも、のび太くんがしずかちゃんの漫画を盗み取ろうとするくだりは、ドリフのコントっぽくもあった。

 

 

 

 

当初は「人間ポスター」として、しずかちゃんの私生活覗き見を楽しんでいたものの、

そのうち、しずかちゃんが出木杉くんと仲良く遊ぶ姿を、ひたすらに見せつけられる形になってしまったのび太くん。

 

 

今どきの言葉で言うと、「脳が破壊される」って感じのシチュエーションですな。

ふだん、出木杉くんに嫉妬しがちなのび太くんにとって、この状況は非常に辛かろう。

 

 

でも、のび太くんがポスターの中で昼寝をしてしまったことで、この精神的苦痛はすぐに終わってしまうのでした。

 

 

 

 

出木杉くんやしずかちゃんも、顔を真っ青にしていたけど、

さっきまで「絵」だと思っていたポスターの中の人物がいきなり寝ていたら、めちゃくちゃ怖く感じると思う。

 

 

実際にこのネタを『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』あたりでやってみたら、非常に盛り上がりそうなドッキリだ。

もしくは「『ポスターの中の人が寝ている』が結局一番怖い説」とか。

 

 

 

 

 

ちなみに、原作のこのお話は、2人がポスター(のび太)を丸めて捨てる時に、

しずかちゃんのパンツが見えてしまうシーンがあるのですが、

 

 

今回のアニメでは、出木杉くんが、

「しずかくん、下がってて!ぼくが(ポスターを)捨ててくるよ!」と、ひとりで後始末を引き受けたため、

しずかちゃんのパンツが見えることはありませんでした。

 

 

 

彼自身は何も知らなかったとはいえ、

同級生のパンツが衆目に晒される危機を救った出木杉くんは、やっぱり聖人である。

 

 

 

 

 

ポスターのふりをして、しずかちゃんの私生活をのぞき見した結果、

ポスターのように全身をクシャクシャにされてしまったのび太くん。正に因果応報だ。

 

 

原作のように、しずかちゃんのママにたき火で燃やされなかっただけ、有難いと思っていただきたいです。

 

 

 

 

といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。

 

 

 

 

 

■次回予告■

次回の放送は12月18日。

ジャイアンラーメンが来る!」「ちく電スーツ」の2本をお送りします。

 

前回の感想:ドラえもん感想(スリルブーメラン&大予言・地球の滅びる日) 

 

 

 

 

【おまけ】

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1本目のお話ののび太くんの回想シーンに「地震テロップ」が入っていたせいで、妙なリアル感が出てしまっていた。