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ドラえもん感想(つづきスプレー&ボールを鍛えろ!)

 

 

 

 2021年11月6日放送分  ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

つづきスプレー(コミックス第5巻収録)

のび太くんとジャイアンが、『つづきスプレー』でさまざまなアートの「つづき」を見ていく!

美術品に対して「この絵のあとはこうなるのかな」と想像しながら面白がるのも、芸術の楽しみ方のひとつ!・・・なのかもしれません。

 

 

このお話は物語の進行上、さまざまな美術品がおもちゃにされてしまう展開となっているのですが、

今回のアニメでは、その美術の持ち主であるスネ夫のパパの友人・成金さんをイヤな奴として描くことで、視聴者が不快な気持ちを抱かないようにする配慮が感じられました。

 

 

 

 

自身の持つ美術品(レプリカ)を「にせもの」と評されたことが気に食わなかったのは、確かにわかる。

 

 

でも、小学生であるのび太くん達に「牛乳を注ぐ女」の感想を聞いておいて、

「なんておバカな想像なんだ!」とコキ下ろしていたのは、さすがにどうかと思うぞ。

 

 

 

 

この絵に込められた真意は、作者であるフェルメール本人にしかわからないワケですし、

けっきょくは各々の考え方によって、絵の解釈なんてものは、いろいろ変わってくるもんなんじゃないかと。

 

 

あの絵の中で描かれている女性だって、

牛乳を注ぎながら「なんか今日の牛乳、いつもより旨そうだな」くらいのコトは思っていそうではある。

 

なんだか、「火垂るの墓の作者」のコピペを思い出してしまうような問答だ。

 

 

 

 

芸術品の解釈なんて、人それぞれなんだから、

そこは成金さんも、「じつに子供らしい、おもしろい発想だ!」とか、皮肉めいた褒め方でもしておけばよかったのに。

 

 

 

ここで成金さんが、怒りの気持ちをグッと堪えて、

美術鑑賞の魅力・おもしろさを、分かりやすく教えてあげていれば、

 

のび太くんだって『つづきスプレー』で美術品のつづきを見て面白がる方向に進まなかっただろうし、

その後、自身の家で巻き起こってしまう悲劇にも、繋がらなかったはずです。

 

 

まさに、「因果応報」というやつだ。

 

 

 

とりあえず、今回のお話を見て、

美術品の感想を求められた際は「うーん、アートだなあ~」とだけ言っておけば、大抵なんとかなりそうなことだけはわかりました。

 

みなさんも困った時には、この言葉をつかってみましょう。

 

 

 

 

「有名な美術品のレプリカ」でいっぱいだった家の中以外に、

 

自宅の庭にも「自由の女神」「スフィンクス」「兵馬俑」「涅槃仏」など、

和洋ジャンルを問わないさまざまな巨大像を展示していた、成金さんの家。

 

 

 

作品のひとつひとつは、立派な芸術なのですが、

各作品のジャンルがあまりにもかけ離れすぎていたのと、美術とあまり関係なさそうな恐竜のレプリカなども置かれているせいで、

成金さんの庭は「芸術」とはかけ離れた、完全にシュールな空間と化してしまっていた。

 

 

成金さんは、自分の家の庭を「東武ワールドスクウェア」みたいにしたかったのだろうか?

 

 

 

 

でも、家の内外に「有名な美術品のレプリカ」があんなにたくさん置いてある家だと、

きっと、テレビ局の取材もそれなりに来てるんでしょうなあ。

 

とりあえず『ナニコレ珍百景』あたりの番組は、確実に取材に来ていそうだ。

 

 

 

 

『つづきスプレー』は、芸術品だけでなく、

「アニメプリントのTシャツ」「工事中の看板」など、街にある様々なイラストに対しても、物語のつづきが見られるのもおもしろい。

 

 

さっきは、あれほどバカにされてしまったのに、

のび太くん達がまだ見ぬ美術品を求めて、成金さんの家に行きたがってしまう気持ちもわかります。

 

自分だって『つづきスプレー』を手に入れたら、いろんなイラストにスプレーをかけてしまっているハズだ。

 

 

 

それにしても、工事現場でよく見る「オジギビト」も、お昼時にはちゃんとお弁当を食べるんですね。

 

昼メシを弁当で済ませていたあたり、オジギビトは自炊派の人間なのか?

それとも、所帯持ちなのか?

 

 

 

 

オチに登場する人物が、「聖徳太子」から福沢諭吉に変わっていたりと、

このお話の原作が49年前(1972年)に発表された作品ということもあって、いろいろな設定変更も見ることが出来た今回のエピソード。

 

 

 

いまの時代では、のび太くんが必死になって描いていたイラストも、

戦艦大和」から「宇宙戦艦みたいな船」になっていたり、

 

のび太くんの小学校入学式でのお漏らしシーンも、

「前を走るトラックによって、全身泥まみれになってしまう思い出」に改変されていました。

 

 

 

前から思っていたんですが、

今のアニメ『ドラえもん』だと、お漏らし描写は完全にNGになっているんでしょうかね。

 

 

 

それこそ、10年くらい前は普通にジョバジョバやっていた記憶があるので、

過去の放送回を遡っていけば、いつからのび太くん達がお漏らしをしなくなっていったかがわかるハズです。

 

 

自分もいつからアニメでお漏らしがNGになったのかが気になるので、誰か調べてくれないものか。(他人に丸投げ)

 

 

 

 

というわけで、一本目の感想はここまで。

 

 

 

 

 

 

●ドラドラニュース●

今週の2本目のお話がはじまる前にドラえもん・えかきうた」が流れました。

前回の放送が2021年9月18日なので、約2か月ぶりのえかきうたとなります。

 

 

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2カ月ぶりに描いたら、だいぶ下手くそになってた。

 

 

 

 

 

 

ボールを鍛えろ!(アニメオリジナル)

今日も今日とて、チラノルズに「15対0」という圧倒的大差で敗北してしまったジャイアンズ。

見事なまでの7回コールド負けだ!

 

 

監督・剛田武は、今回の試合の敗因をのび太くんのエラーのせいにしていたものの、

のび太くんがジャイアンが打たれなければいいだけの話なのでは?」と、視聴者の誰もが思っていることを口に出してしまった結果、ジャイアンが大激怒。

 

「だったらおまえが投げてみろ!」と、のび太くんに野球勝負を挑むのでした。

 

 

 

来週の日曜日までに、ジャイアンが打てないような球を投げられなければ、

ボコボコにぶん殴られる罰ゲームが待っている!

 

 

 

 

いつもだったら、真っ先にドラえもんに泣きついていそうな危機的状況なのに、

しっかりと投球練習に励んでいたのび太くんはえらい。成長を感じる。

 

 

おそらく、ドラえもんも、

そののび太くんの頑張りを認めてくれたからこそ、道具を出してくれたのでしょう。

 

 

 

でも、「ドラえもんが助けてくれるかも?」と分かったとたんに、

のび太くんがわざと特訓を投げ出したように見えるところが、ちょっとあやしく感じる。

 

 

もしや、普通に泣きついても道具を出してくれないことを見越し、

はじめからドラえもんの道具で助けてもらうこと前提で、のび太くんは「特訓するフリ」をしていたのでは・・・?

 

 

 

 

そんな「特訓ウソ疑惑」は置いておくとして、

ドラえもんがポケットから出してくれたのは、『そだてぬぐい』という道具。

 

 

ヒヨコのデザインが可愛らしい『そだてぬぐい』は、

なにかを磨けば、みがくほど、自分のいうことを聞いてくれるようになっていく仕様となっており、

 

どうやらドラえもんは、この道具で野球ボールを磨いて育てさせることで、

ジャイアンとの野球勝負を何とか切り抜けようと考えているようです。

 

 

 

現に、手がゴムマリのドラえもんでも、

ちょっと磨いただけで、球に若干の変化が出るようになっていたので、『そだてぬぐい』の効果は確かなもの。

 

この道具さえあれば、のび太くんが「ホワイトボール」を投げることだってユメじゃないぞ!

 

 

 

 

 

ただ、この道具の扱いづらい点として、

磨くのをちょっとでもサボってしまうと、すぐに元のボールに戻ってしまうところが難点である。

 

 

『そだてぬぐい』で魔球を投げるのにも、それなりの努力は必要なのです。

でも、屋外でひたすら投球練習をしているよりは、だいぶ効率はいいんじゃないかと。

 

 

『そだてぬぐい』なら、コタツでテレビを見ながらでも、いいボールが投げられるようになりますからね。

魔球を投げたいインドア派な人には、じつにピッタリな道具といえましょう。

 

 

 

 

こうして、「ボールと一緒にお風呂に入る」などの特訓もこなしつつ、

ひたすらに磨き続けたのび太くんのボールは、

 

しずかちゃんが忘れた家のカギを取りに行けるほどのコントロールと、

こちらに向かって倒れてきたクレーン車を押し返すほどの威力を持つ、最強の野球ボールへと進化。

 

 

のび太くんは自らが磨き上げた魔球をジャイアン・スレイヤー」と名付け、ジャイアンとの野球勝負当日に備えるのでした。

 

 

 

ちなみに、「ジャイアン・スレイヤー」を直訳すると、ジャイアンを殺すもの」

のび太くんは、この魔球でジャイアンを殺そうとしている!

 

 

 

 

 

でも、のび太くんも、冗談でこんな名前をつけたのかと思いきや、

 

野球対決当日に披露した新魔球「ウルトラ・スーパー・ジャイアン・スレイヤー」で、

ジャイアンスネ夫を押し潰そうとしていたところを見るに、

あの時ののび太くんは、本当にジャイアンに対して殺意をもっていたのかもしれません。

 

 

「相手を巨大ボールでペチャンコにしよう」とか、普通の人ならまず思わないぞ。

 

 

 

 

『そだてぬぐい』で磨いたものは、自分の言うことを聞くように育つそうなので、

のび太くんが磨き続けた野球ボールにも、いつの間にか、その殺意が乗り移ってしまった可能性はある。

 

 

のび太くんがジャイアンに殺意をもっている」という脳内設定のもとで、

今回のお話を最初から見てみたら、また違った趣(おもむき)が出てきてしまうかも・・・?

 

 

 

 

なお、『そだてぬぐい』で、常日頃から野球ボールを磨いておけば、

草野球どころか、日本プロ野球メジャーリーグでも活躍できるほどのスター選手になれるんじゃないか?と思ったりもしたのですが、

 

野球のルールには「磨きすぎたボールを使ってはいけません」という規約があるので、

正攻法に乗っ取った上で、『そだてぬぐい』で育てたボールをプロの世界で使うのはだいぶ難しいんじゃないかと。

 

 

 

 

ジャイアンも野球のルールには詳しそうなので、もしも彼が『そだてぬぐい』の存在に気づいていたら、

「新しいボールを使え!」と、これまでののび太くんの特訓が無に返ってしまうような要求をしてきたと思われます。

 

 

最後まで自分の手の内を明かさなかったところが、今回ののび太くんの勝因かもしれません。

まあ、手の内がバレたところで、「ジャイアン・スレイヤー」で相手をブッ潰しちゃえばいいだけの話ではありますが。

 

 

 

 

そして、あの巨大ボール魔球があれば、チラノルズどころか、

日本球界のセ・パ両リーグの選手だって、全員やっつけることもできる。

 

 

今年の日本シリーズはまだ始まっていませんが、

ジャイアン・スレイヤー」がある以上、今年の日本シリーズ覇者は実質ジャイアンズといえるかもしれません。

 

 

 

 

といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。

 

 

 

 

 

 

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■次回予告■

次回の放送は11月13日。

無人境ドリンク」「葉っぱ探偵のび太」の2本をお送りします。

 

前回の感想:ドラえもん感想(リアル日本一周超特急すごろく&しずかちゃんSOS)

次回の感想:ドラえもん感想(無人境ドリンク&葉っぱ探偵のび太[再])