2021年8月21日放送分 ネタバレ注意!
つめあわせオバケ(コミックス15巻収録)
ジャイアン・しずかちゃんは旅行に連れて行くけど、のび太くんは旅行に連れて行かない!
これまでも様々な理由をつけて、のび太くんを仲間外れにする行為が至極当然と化していたスネ夫ですが、
今回はめずらしく、のび太くんを自分の別荘に連れて行ってくれることを表明してくれた。
夜に行われる『きもだめし大会』でのび太くんが驚く姿を見て笑うのが目的であり、
のび太くんを驚かせる用のオバケアイテムを仕込んでいたほどに、このイベントを楽しみにしているようであった。
ジャイアンたちが用意していたオバケグッズも、そのためにわざわざ自作したんだろうか?
なんだか間違った方向に労力を使っているような気がするぞ。
もちろんのび太くんだって、スネ夫の企みを知った以上、黙って驚かされるワケにはいかない。
「オバケで売られたケンカ」は「オバケで返す」ということで、
ドラえもんから『つめあわせオバケ』を借りて、オバケドッキリのお返しをすることとなりました。
お墓の形を模したケースを振ると、その時々で役に立つさまざまなオバケが登場してくれる『つめあわせオバケ』。
自分が泳げるフリをするために「海坊主」に協力してもらったり、
みんなが暑い思いをしている中、「雪女」をポケットに忍ばせることでひとりだけ涼しい思いが出来たりなど、
オバケの使い方は、じつに多種多用でありました。
自分の指示のおかげで、ババ抜きで勝つことが出来たのび太くんを見て笑顔になっていた「目目連」も可愛かったです。
背後がものすごく不気味なことになってはいますが。
しずかちゃんたちも、すぐ後ろで巻き起こっていた怪奇現象にちょっとくらい気づけばいいのに。
でも、のび太のママのように「からかさオバケ」をビニール傘代わりに使ってみたりなど、
オバケの使いようによっては、ちょっとシュールな光景になってしまうのがおもしろい。
スネ夫の旅行に行かなかったドラえもんも、ヒマを持て余していたのか、
「カラス天狗」や「お菊さん」と一緒にトランプ遊びを楽しんでいたせいで、なんとも奇妙なスリーショットが生まれていた。
オバケは何もせずとも、ただその場にいるだけで、場の空気を怪しい感じに変えてしまうからスゴイ。
さすが「妖怪(ようかい)」と言われるだけのことはあります。
『番町皿屋敷』では、「いちま~い」「にま~い」と皿の数を数えていたお菊さんですが、
その有名なセリフがあるゆえに、お菊さんがトランプ遊びにぴったりの存在になるとはまったく気づきませんでした。
ドラえもんもそのセリフを思い出したから、お菊さんをトランプに誘ったのだろうか?
それにしても、お菊さんは江戸時代の人なのに、よくトランプの遊び方を知っていたもんだ。
『番町皿屋敷』の原作ファンの人が「トランプをするお岩さん」を見たら「解釈違いだ!」と騒ぎだしてしまいそうです。
いや、でもそんなこと言っちゃったら、
それこそ江戸時代の書物に登場するくらい、昔から活躍しているオバケは、みんなトランプの遊び方を知っていたらオカシイってことになってしまう。
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎(6期)』に出てきた妖怪のように、
『つめあわせオバケ』の中にいるオバケたちはみんな現代社会に順応しているという考え方にしたほうがベターかと。
そういえば最近は、ネットロア発の妖怪「八尺様」が人気となっておりますが、
江戸時代の怪談話である「番町皿屋敷」発の妖怪が出せるなら、ネットロアから生まれた八尺様も『つめあわせオバケ』で出せる可能性もある。
22世紀までに「八尺様」の存在が世間に浸透していれば、『つめあわせオバケ』の仲間入りもワンチャンありうるぞ。
そして八尺様が出せるんだったら、
どうせならオバケのQ太郎も出せるようにしてほしい。
Qちゃんを出したところでどういう時に役立つのかはサッパリわからんけど、とにかく出してみたい!
のび太くん達は海遊びや怪談話など、夏らしい遊びを満喫していましたが、
外も暗くなってきたところで、いよいよスネ夫くん待望のメインイベント「きもだめし大会」がスタート。
まずはトップバッターのスネ夫が「もうかりまっか~、ぼちぼちでんな~」と謎の歌を唄いながら、余裕のゴールを見せると、
続くジャイアンやしずかちゃんも、とくに何事もなく肝試しをクリアー。
そして、トリを飾るのび太くんに対しては、
スネ夫くんが「電池が切れた」という理由をつけ、懐中電灯なしでのきもだめしを強要していた。
これはきっと「のび太も真っ暗闇のほうが、よりオバケを怖がるだろう」という考えや、
先ほどトランプに負けてしまったうらみもあるんじゃないか、と推測しますが、
ひとりで暗闇の中を懐中電灯なしで歩かせるのはただ単純にキケンなので、このスネ夫くんの行為はどうかと思う。
のび太くんがうっかり足を踏み外して、崖下にでも落ちたらスネ夫くんはどう責任を取るつもりなんだ?
「のび太くんを驚く姿を笑う目的」で、きもだめし大会を企画したり、
猛暑の中、のび太くんにひとりだけ団扇を渡さなかったりと、この回のスネ夫くんはいつもより性格が極悪になっている気がする。
でも、そんなイジワルをやってしまった結果、
のび太くんが懐中電灯がわりに使っていた「鬼火」を見て、ジャイアンと一緒にひっくり返ってしまうわけですが。
まさに因果応報だ!
2週前の再放送では、目の前のオバケにも全く動じずに歩を進めていたジャイアンでしたが、
あの時は心の準備ができていたのと、目の前のオバケがバーチャル映像だとわかり切っていたから怖がらなかっただけで、
実際に「本物のオバケ(と思い込んでいる)」を見てしまったら、ああいうリアクションになってしまうんですね。
まあ、それはジャイアンだけじゃなく、ほぼ全ての人間に言えることですが・・・。
のび太くんが(無意識で)放っていたオバケ攻撃に、しっかり返り討ちにされてしまったジャイアンとスネ夫。
さらにラストでは、自分たちのことを探すために別荘の周りを徘徊していたオバケたちの姿を見て、
「あの別荘はオバケ屋敷だったんだ!」と、すっかり腰を抜かしてしまうのでした。
オバケは夜目が利きそうだから、暗闇の中での人探しにうってつけ!・・・とか言ってる場合じゃないか。
そもそも、スネ夫達はあのオバケ達が味方だと知らないので、
仮にオバケが2人の姿を見つけたところで、相手が必死のパッチで逃げてしまう恐れは十分にある。
結局、オバケを怖がったジャイアンとスネ夫は外で一夜を明かしてしまい、
オバケがいなくなった明け方くらいに、おっかなびっくり別荘に戻ってきていそうだ。
あのお話のオチのあとのアフターストーリーも、ちょっと見てみたいと思いました。
そんなわけで、今週の一本目の感想はここまで。
●ドラドラニュース●
2本目がはじまる前に、9月4日放送の「ドラえもん誕生日スペシャル」の宣伝が流れました。(これで3週連続)
ドラえもんの後ろにいるドラヤキ星人が、前よりも増えているような気が・・・。
ちなみに、9月4日の『ドラえもん』本編はゴールデンでの放映となるため、
ふだん『ドラえもん』を放送している午後5時からは、ドラえもんの誕生日を記念したスペシャル特番を放送するそうです。
くわしくは別記事にて。
ねがい星(コミックス10巻収録)
今週の2本目は、2018年7月6日放送分の再放送。
ちょっとそそっかしいところがある道具『ねがい星』で、のび太くんは幸せになることが出来るのか?
ねがい星は、確かにいろんなものを出してくれるけど、
「でっかいタイ焼きを出せ」をお願いすると、空の上から「でっかいタイヤ」と「木」を落としてきたり、
「おフランスのカバン」を頼むと、フラダンスをするカバが出てくるなど、聞き間違いのようなミスを頻発してくる欠点があった。
ジャイアンの願いによって生み出された、アザラシや忍者、ポールとマイクは、あの後どうなったんだろう?
『ねがい星』で出てきたものは、
ある程度時間が経ったら消えるなりしてもらわないと、かなり困る。
自分のほんの思いつきで、外国人やアザラシを一生養うことになるのは、つらいなんてもんじゃないぞ。
『ねがい星』が自分の願いを素直に叶えてくれないところについては、かなりの問題がありますが、
まったくの「無の状態」から、用意するのが難しそうなもの(「臭いタル(樽)」など)や、
しずかちゃんのカラスのコスプレを瞬時に終わらせてしまうなど、物事に対する具現化能力は非常にすさまじいものがありました。
この抜群の具現化能力を生かした上で、『ねがい星』が素直に願いを叶えてくれる道具だったら、
ネットニュースでよく見かける「ドラえもんの欲しいひみつ道具アンケート」のトップ20入りも夢じゃないとも思うけど、
ちゃんとしてるバージョンの『ねがい星』は、
ドラえもんが手を出せないほどの高値で売買されているか、あとで高額な請求を要求されてしまうオチがついてしまいそうなので、
『ねがい星』の原作がもつ、ドタバタギャグ展開が失われてしまいそうだ。
やっぱり、『ドラえもん』のような日常ギャグ作品に登場するようなひみつ道具は、
完璧なひみつ道具よりも、ちょっと抜けているところのあるひみつ道具のほうが扱いやすかったりするのかもしれません。
目立った欠点のない『みちび機』より、『ミチビキエンゼル』のほうがなんとなく露出も知名度も高い気がするのと同じようなもんです。
同じようなもんなのか?
そんなわけで、今週のドラえもん感想はここまで。
■次回予告■
次回の放送は8月28日。
「ゴロアワセトウでキャンプしよう!」「ロビンソンクルーソーセット」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(ネコが会社をつくったよ&立体パズルハンマー[再])