2021年6月5日放送分 ネタバレ注意!
クロマキーでノビちゃんマン(コミックス第30巻収録)
なんとなく見ていたテレビのCMから「クロマキー合成」に興味を持ったのび太くん。
しかし、話だけで「クロマキー合成」の説明をしても、のび太くんの頭ではあまりうまく理解できなさそうだったため、
ドラえもんはポケットから『クロマキーセット』を取り出し、実物でわかりやすく解説をすることにしたのでした。
科学の発展により、いまではパソコンとグリーンバックさえあれば誰でも行えるくらいに身近な技術となった「クロマキー合成」ですが、
このお話の初出当時(1983年)は、ドラえもんのひみつ道具に頼らなければ、個人ではとても実現不可能な技術でした。
ただ単に「人物」と「別の景色」を合成した映像をつくるだけなら、普通のパソコンでもできますが、
『クロマキーセット』は「実際の景色」と自分の姿を合成することもできるので、その点においては、現実の技術にまだまだ負けていない。
ドラえもんが「(クロマキーセットは)すごいクロマキーなんだ」と語る通り、
クロマキー合成で「立体映像の自分」を空に飛ばすことができたり、友達の目の前に突然あらわれてからかうことができるのも、この道具の魅力である。
コピー合成によって生まれた大量のドラえもん達によるマトリックスもどきは、なかなか見ごたえがありました。
でも、今回ののび太くんのように、ジャイアン達を立体映像でからかったとて、
翌日学校でぶん殴られるだけだと思うので、あまり余計なことがしないほうがいいんじゃないかと。
もっと言わせてもらえば、ドラえもんみたいにお巡りさんをからかうのも、もってのほかです。
場合によっては、ジャイアン以上にややこしいことになる恐れがあるので非常に危険だ。
「クロマキー合成」という新しいおもちゃを手に入れて嬉しいのはわかりますが、あまり人様の迷惑にならないような使い方を心がけましょう。
今回のアニメでは、合成時に「グリーンバック」を使っていましたが、
もうひとつの背景である「ブルーバック」だと、ドラえもんの体が透けてしまう問題にも触れられていた。
だいぶ前に話題になっていた、クロマキー合成でガチャピンが透明になっちゃったやつみたいなアレですね。
原作の時はブルーバックをつかっていたので、そこらへんに対する配慮なんでしょうか。
余談ですが、このお話は「ドラえもん達がグリーンバックの中に立っているシーン」がやたら多かったので、
見ようによっては「ドラえもん公式がGB素材の配布をしてくれた回」という見方もできそうではあった。
シン○イ動画や藤○プロに怒られたくないので、自分はやりませんが、
勇気のある人は今回のGB素材を使って、自己責任でおもしろいコラ画像を作ったり、おもしろいMAD動画を作ってみるなりしてみてはいかがでしょうか。
自分は怒られたくないので、絶対に作りませんが・・・。
そしてこのお話、最大の見どころ!
『クロマキーセット』による、ノビちゃんマン vs ヒトデ怪獣(ドラえもん)の壮絶バトルをお届けだ!
両者の演技力が拙かったせいで、
全体的にものすごく八百長臭いバトルになってしまったような気がするけど、
『クロマキーセット』の効果で巨大化できたことや、
背景を「特撮映画でありそうな風景」にチェンジできたおかげで、ギャラリーのみなさんはこの戦いを真剣に受け止めてくれたようだ。
「ノビノビパンチ」「ノビノビスタンプ」「ノビノビーム」などの技を使いこなすノビちゃんマンのおかげで、今日も地球の平和は保たれたのです。
こうして、ジャイアン達にカッコいいところを見せることが出来てご満悦なのび太くんでしたが、
何も知らずに「おつかい」を頼みに来たママがクロマキーの中に入りこんでしまったせいで、ノビちゃんマンのかっこいいイメージは完全に台無しとなってしまうのでした。
最強ヒーロー・ノビちゃんマンも、親フラの前には為す術がなかった!
今回のアニメでは、大人の事情で変更を余儀なくされたのか、
テレビで流れていた「紅茶のCM」でクロマキー合成に興味を持つ流れになっていましたが、
原作ののび太くんは『ミケちゃんマン』というテレビ番組でクロマキー合成に興味を持つ展開になっており、
のび太くんが名乗っていた「ノビちゃんマン」という名前も、おそらくそこから来ていると思われます。
あと、劇中でのび太くんがジャイアン達にクロマキーを使ったいたずらをしていたのも、
原作では、『ミケちゃんマン』見たさに急いで家に帰ろうとしていた時に転ばされた仕返し・・・という意味合いもあったのですが、
『ミケちゃんマン』の存在がまるまるカットされてしまったせいで、
「ノビちゃんマン」の元ネタともども、前後の繋がりがよくわからないシーンになってしまった気がします。
まあ、アニメでこのお話を初めて知った方が見たら、そんなに違和感のあるシーンでもなかったので、
原作ではそういうことのもありましたよ、ということで。
そんなわけで、一本目の感想はここまで。
タンポポ空を行く(コミックス第18巻収録)
虫かごの中でたくましく生きていたタンポポの姿を通し、『ファンタグラス』で心を通じ合わせたのび太くんの成長を描いた一作です。
虫かごの中でも成長するタンポポの生命力に感心していたドラえもんに対し、
何のためらいもなくタンポポを捨てようとしていたのび太くんの姿は、母親に通ずるものがある。
やっぱり親子なんですねえ。
のび太くん曰く「去年カブト虫を飼っていた」ということだけど、
パパから買ってもらって、あんなに大事にしていたカブ太はもう死んじゃったのか・・・? (のび太と奇跡の島脳)
数多くある『ドラえもん』の原作の中でも、感動回のひとつとして名前を挙げられがちなエピソードとだけとあって、
今回のアニメは、余計な演出を加えない、非常に丁寧につくられていた印象を受けました。
そして、この手の感動回は非常に感想が書きづらい。
ここで無理に下手な感想をかいてしまうと、せっかくの感動回に水を差す形になっちゃいますからね・・・。
なので、今回のお話に関しては、つまらない感想はあえて書かないことにして、
みなさんで実際にアニメ本編なり原作なりを見ていただいて、その時に受けた印象を素直に感じ取ってもらうのが一番いいのではないかと思います。
とにかく、『タンポポ空を行く』を見てください。
タンポポの綿毛くんと同様に、見知らぬ世界に飛び出すのは、非常に勇気のいることである。
『ファンタグラス』で見たタンポポの姿から、のび太くんは何を思ったのか。
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●タケコプターで見にいこう!●
海のようすに陸のようすと、非常に見どころのある回でした。
アニメ『ドラえもん』を金曜日の朝10時25分に、2週遅れで放送しているそうです。(RKC高知放送)
BS朝日の再放送も、こういう地域の人たちにとっては非常にありがたいんでしょうなあ。
あとこのコーナー、何で先週はお休みだったんだろう?
■次回予告■
次回の放送は6月12日。
「集中力増強シャボンヘルメット」「ガワラオニ」 の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(目ヂカラにご用心&アセッカキン[再])
次回の感想:ドラえもん感想(集中力増強シャボンヘルメット&ガワラオニ[再])