<第7話 一週間限定無料公開中>
前回、アカペラ界の隠れ風雲児・サルバトーレ玉井に楽曲を気に入られたアイドールズのもとに、
音楽会社・クイーンレコードからメジャーデビューのお誘いがかかってきた!
キ○グレコードじゃないよ、クイーンレコードだよ!
そういえば、今回のお話でようやく確定しましたが、
アイドールズのみなさんって、今までずっと事務所に入らないでアイドルやってたんですね。
そりゃ、いつまで経っても売れないわけだ。
でも、はじめから事務所に所属していたら、
アイドールズ各メンバーの個性が早いうちに潰されてた可能性もあったので、一概に悪いとも言えなかったりするから難しいか。
そもそも、音楽界でそれなりの影響力を持っているらしいサルバトーレ玉井は、
何故、無名アイドルであるはずの「アイドールズ」の楽曲を知ることが出来たのか?
じつは、ライブのCD特典として出す予定だった新曲『世知辛い』のデータを、
アイドールズのリーダー・あいなが、自分のTwitterアカウントに間違えて投稿してしまったことが、すべての始まりとなっており、
おそらく、そのあいなの投稿が、
常日頃から「アカペラ おもしろい曲」とかのワードでTwitter検索していそうな、サルバトーレ玉井の目に止まったのではないかと思われます。(あくまで想像)
そして、偶然その曲を聞いて感動したサルバトーレ玉井がレコード会社にアイドールズを紹介した・・・というのが、
今回のメジャーデビュー決定までの流れのようです。
あいなのうっかりミスが、「アイドールズ」メジャーデビューに繋がった。
「人生何が起こるかわからない」という言葉では片づけられない、とてつもないサクセスストーリーである。
『世知辛い』は珍妙な歌詞とシュールな雰囲気ばかりが印象に残ってしまう曲でしたが、
たしかに、あの曲もアカペラだった。
自分が『世知辛い』を聞いた時は、とくに何も感じませんでしたが、
サルバトーレ玉井はあの曲を聴いた際に、同じアカペラ歌手(?)として、何か光るモノを感じ取ったのでしょう。
けっきょく、彼が『世知辛い』のどこらへんを気に入ったのかはよくわからないけど、
とにかく業界人に名前が知られたことだけは確かである。
奇跡的な運の良さだけでつかみ取った大チャンス。
この千載一遇の好機を絶対に逃がすワケにはいかない!
しかし、クイーンレコード側は、
アイドールズの楽曲よりも『世知辛い』の世界観にいたく共感してしまったらしく、
「全員真っ赤なペラペラの服を着て歌う(アカペラだけに)」
「歌唱中は両手にナスビを持ち、ときおり隣のメンバーをパーンと叩く」
など、『世知辛い』の世界観を前面に押し出した「イロモノアカペラアイドル路線」で売り出すことを、
メジャーデビューの条件として、アイドールズたちに突き付けてきた。
なんか、このデビュー条件を聞く限りでは、
絶対に一般ウケしなさそうなアイドルになってしまう気がするんだけど、大丈夫なんだろうか?
仮に売れたとしても、完全な一発屋アイドルで終わってしまいそうな気がするぞ。
ただ、いろんな人に「アイドールズ」の顔と名前を覚えてもらうために、
あえて強烈なキャラ付けをしてからメジャーデビューするのは、意外とアリかもしれない。
ほら、現実でもよくいるじゃないですか。
デビュー当時は変なキャラだったのに、いつの間にかまともな感じになっちゃった元アイドルの人とか。
アカペライロモノアイドル路線も、すべては会社側のプロデュース戦略だと考えたら、
あみの言う「ナスビだって最初だけだって」という考え方も、実はけっこう的を得ているのかも。
ただ、クイーンレコード側はそんなこと全く考えていなさそうなのが怖いんだよなあ・・・。
「自分はあくまでも『普通のアイドル』として売れたい」と葛藤するあいなと、
メジャー契約の条件をあっさりと飲み、早くもナスビを買いに行く準備を始めていたあいな以外のメンバー。
このメンバー同士の考えの違いが、あとで亀裂を生んだりしないか心配だ。
あと、みんながナスビに気を取られて、
「メンバー全員が真っ赤なペラペラな服を着て歌うこと」をすっかり忘れていそうなのも心配だ。
クイーンレコードいち押しの楽曲『世知辛い』のメンバー役割は、
「作詞・るか、作曲・あみ、振り付け・しおり」となっているので、
あいなと他のメンバーがメジャーデビューの条件で本当の本当にモメてしまった場合、
この曲に関わっていないあいなをクビにして、他のメンバー3人だけでメジャーデビューしてしまう可能性も無くはない話である。
『アイドールズ!』の副題についてくる「IDOL Survival」は、
実はこの先の展開で、あいながクビになることを示唆していたとかだったらどうしよう。
「アイドルサバイバル」とは、そういう意味だった・・・?
最終話間際で急にシリアス展開をはさむのはアイドルアニメによくある悪いクセですが、
まさか『アイドールズ!』でも、その手のシリアス展開がはさまれてしまうのか?
そんなわけで、ちょっと不安こそ残るものの、
アイドールズは「アカペライロモノアイドル」としてメジャーデビューすることがほぼ決定した。
メジャーデビューのおかげで、
先週まで売れ残っていた76枚のチケットも無事完売して順風満帆だ!
その勢いに乗ったまま、物語も次回へ続きます。
・・・・最終回までまだ3話くらいありそうなのに、もうチケット完売しちゃったの?