昨日の記事で紹介した『のび太の新恐竜』のDVDと同日発売された
『のび太の新恐竜(プレミアム版)』も購入しましたので、そちらのほうにも軽く触れていきたいと思います。
この「プレミアム版」は、
『のび太の新恐竜』のDVD+ブルーレイに加え、縮刷版シナリオと特製ブックレットがセットという、まさにプレミアムな仕様!
でも個人的には、制作者インタビューが載っている
「特製ブックレット」がこのプレミアム版での一番のお目当てだったりします。
今回もそのインタビューの中でいろいろ気になるところがあったので、今からいくつか触れていこうかと。
「いま世界を見ていると、『悪vs正義』ということではなく、正義だと思っているもの同士が争っているように感じます。
状況や価値観は複雑化し、悪と正義がクリアに分けられる時代ではなくなっている気がしています。(脚本:川村元気)」
「『宝島』から2作続けて悪役を登場させなかったのはなぜですか?」という質問に対する回答。
確かにそういう視点での映画づくりも、今の時代には必要かもしれません。
そもそも、今までの映画に出てきたのび太くん達から見れば悪いことをやっている人でも、
その人は「自分が悪いことをしている」という自覚がないから余計タチが悪いわけであって。
「今回は、90分は難しいけど100分ならいけるかなと思いつつ作業していたら、結局110分。
それでも泣く泣くカットしたエピソードがいくつもあるんです。(今井一暁監督)」
小説版の感想記事でも書きましたが、
「のび太くんがキューと一緒に好き嫌いをしているとドラえもんに指摘されるくだり」
「ゴルの他の恐竜に対する接し方を見てジャイアンが反省するくだり」あたりのことを、今井監督は言っているんでしょうかね。
映画ドラえもんの上映時間が100分を超えないのは、
「子供が飽きてしまわない上映時間の限界が100分だから」ということを何かで見たような覚えがあるけど、どこで見たやつだったかしら。
「正直、ミューは描き足りませんでしたね。(中略)けれど尺が足りず・・・。」
「親の役割をするのび太が構うのは出来の悪い弟ばっかり。そうした双子あるあるをもっと増やしたかった。(今井一暁監督)」
確かに劇中におけるミューの扱いの少なさは気になっていたけど、これも尺の都合だったようです。
もしも尺に余裕があった場合は、前述の「双子あるある」や、ミューとしずかちゃんとの絡みもさらに増えていたとのことだったので、そこは見てみたかったですね。
「本編に関してはやりきっていたので、それはありません。(中略)
ただ、黒バックに文字が流れるだけのエンドロールは心残りでした。
そこで延期期間を利用して、総作画監督の小島崇史さんと2人で、当初からイメージしていたアニメをつくることにしました。(今井一暁監督)」
「新型コロナウイルスの影響で映画の公開が春から秋へ延期となりましたが、その期間を利用して映画に手を加えましたか?」といった感じの質問に対しての回答。
もしも予定通り3月に公開を迎えていた場合は、あのエンディングで流れていたアニメは作られず、
黒バックにスタッフクレジットが流れるだけのエンディングになっていたそうです。
「それは実際に見てみないとわからない」というのは勿論あるのですが、
仮にそのようなエンディングになっていた場合、ちょっと盛り上がりの少ない終わり方になっていた気がするので、
これだけは映画公開が延期になってよかった、数少ないことのひとつなのかもしれません。
これらの関係者インタビューの他に、
今回のブックレットでは、タイムパトロールの一員であるナタリーとジルに関する裏設定や初期デザインも明らかに。
とくに、ジル博士の初期デザインは今とは全く違う
「現地人そのもの」みたいなビジュアルだったので、一見の価値はあると思いました。
異質な存在すぎる、初期デザイン・ジル博士は
周囲の評判が悪かったために現在のビジュアルに変わったそうですが、
もしもあのビジュアルのままで確定していたら、映画は一体どうなっていたんだろう?
他にもいろいろ言いたいことはありますが、
自分が高い金を出して買ったものの内容をあまり語り過ぎるのも損になるだけだと思うので、ここらへんでおしまいにします。
これ以外のブックレットの情報が気になった方は、プレミアム版を買ってくださいということで。
そんなわけで『のび太の月面探査記』プレミアム版は、現在絶賛発売中。
DVD&ブルーレイ、レンタル版ソフトも、同じくらいに宜しくお願いいたします。
今日は以上です。ありがとうございました。