2020年12月26日放送分 ネタバレ注意!
携帯ゲームをやる順番でモメてしまったのび太くんとジャイアン。
いつものように暴力で物事を解決しようとするジャイアンに対し、のび太くんだっていつものエスケープ行為で難を逃れようとするぞ!
ジャイアンは、土管の中にのび太くんが逃げ隠れるところまで追い詰めますが、
自分が土管に入ったすぐ後に後ろからあらわれた謎の人物に突然おそわれてしまい、コテンパンにやられてしまった。
正体もわからない相手によって、
暗闇&閉所の悪条件の中、背後から不意をついた攻撃をされたとあっては、さすがのジャイアンでも勝つのはさすがに難しい。
『刃牙』シリーズに出ているような格闘士であれば勝てるかもしれないけど、小学5年生の剛田くんではとてもムリな話です。
ジャイアンが鍛錬を積んで、
暗所でも戦えるレベルの格闘センスを身につければ、話は変わってきますが、
少なくとも『ドラえもん』はそういう漫画ではないので、アニメオリジナルでのジャイアン修行編はおそらくやってこないんじゃないかと。
ジャイアンが若くして格闘のプロになってしまったら、
その格闘を顔面などに喰らう側であるのび太くんやスネ夫にとってはたまったもんじゃなさそうなので、是非とも鍛えない道を歩んでもらいたい。
ところが、ジャイアン自身も
「格闘家にケンカの技術を教われば勝てる!」と自分とほぼ同じようなことを考えていたのか、
剛田家を訪れていた親戚のおじさん(柔道10段)に「柔道を教えてください」「オレ、もっと強くなりたいんです!」と懇願。
柔道を習うことで自らの喧嘩スキルを上げ、自分をコテンパンをやっつけた謎の土管男にリベンジを果たすつもりのようです。
そんな彼の一連の発言でしたが、それを聞いた柔道10段のおじさんは、
「柔道はケンカのための技術じゃない」
「きみの考えている強さはケダモノの強さだ」
「弱い者いじめなどとんでもない。人間らしい心をみがくのが柔道の真の目的なのだ!」
と、あえて厳しい言葉を用いながら、ジャイアンの誤った考えを諭してくれた。
突然の相談に対し、最良の言葉で返す。さすがは柔道10段である。
ダテに柔道の段位の最高位を取っていない。
精神のスポーツである「柔道」を極めた者からの言葉は、かなり響くものがあるでしょう。
そして、このおじさんの言葉に感動したジャイアンは、
自らの力(ちから)を「弱い者を守ってやることに使おう」と心に決め、
この町の弱者代表であるのび太くんのもとへ、しずかちゃんのスカートがめくれそうになるほどのスピードで向かうのでありました・・・。
まあ、今回のお話は、せっかくボディーガードをはじめたのに、
誰ものび太くんに暴力を振るってこないことに機嫌を悪くしていたジャイアンの存在を恐れたのび太くんとドラえもんが、
ジャイアンを過去の世界へと送っていき、
最終的に「あの時、土管の中でジャイアンを襲ったのはジャイアンだった」ということが判明するオチの回です。
けっきょく、あの後ジャイアン(殴った方)は最後まで気づかずに事を済ませたのだろうか?
ニュアンスはだいぶ変わってきますが、
このお話は『STAND BY ME ドラえもん 2』を最近見にいったばかりの人だと、例のタマシイムマシンのくだりを彷彿とさせる回かもしれません。
『ドラえもん』は原作のみならず、スピンオフものでも、この手のタイムパラドックスネタが多いですよね。
そういえば、日本人は幼少時の頃から『ドラえもん』で「タイムパラドックス」ネタを学んでいるので、
他の国の人よりもタイムパラドックスネタに関する理解が早いという情報を以前どっかで見たような気がするけど、どこで見たのかがさっぱり思い出せない。
なんかそれっぽい情報だったので、ソース不十分ながらここに書き記しておきます。
原作と違い、今回のアニメではジャイアンの服がボロボロのままだったので、
タイムパラドックスに詳しくないお子さんでも、殴られる側のジャイアンと殴った側のジャイアンの見分けが簡単につけられそうだったところにも、作り手側の良心を感じました。
のび太くんが言っているように、
この町で突然のび太くんに理由もなく暴力を振るってくる相手はジャイアンしかいないので、
のび太くんのことを襲ってくる相手が全くあらわれないのは当然の話である。
むしろ、のび太くんに暴力を振るおうとしている相手がいたとしても、
背後に陣取るボディーガードのジャイアンを見た時点で、勝手に怖気づいて帰ってしまいそうだ。
「ジャイアンが背後にいるおかげで、のび太くんを襲う悪漢が現れなくなった」と考えれば、
ジャイアンが本来やりたかったことの9割くらいはほぼ達成できていると思うのですが、それでも彼はイライラし続けていた。
やっぱりジャイアンは、「のび太くんを守る」という建前のもとに暴力を振るいたかっただけなのかもしれない。
正義の名のもとであれば、他人を正義の拳(こぶし)でぶん殴っても正当化される。
なんだか、ここ最近のSNSみたいな発想をしていたジャイアンであった。
柔道10段のおじさんの言葉でも、ジャイアンの凶暴性までは止めることができなかったのが悲しい。
ジャイアンを本当に改心させるためには最低でも柔道1000段くらいの人物を連れてこなくちゃダメみたいですね・・・。
そんなわけで、一本目の感想はここまで。
ドラえもんに落書き(アニメオリジナル)
ドラえもんと大ゲンカをした腹いせに、部屋に落ちていたペンでドラえもんの写真に落書きをしていたのび太くん。
しかしそのペンが、描いた落書きが本人の顔にも反映されてしまう『らくがおペン』であったことを知ったのび太くんは、
自分がドラえもんの顔に落書きをしていたことがバレないよう、必死で取り繕うとするのですが・・・。
今週の2本目は、2013年12月6日に放映されたものの再放送。
Bパートの再放送自体はよくあることですが、約7年前という古い作品を放映するのはかなりめずらしいことです。
季節感と放送尺がピッタリあう作品がこれしかなかったんだろうか?
偶然にも、今週の『ドラえもん』で放送されたエピソード2本は、
「話自体は終わったけど、あの後どうなったんだろう?」と思える作品が連続で並ぶ形となってしまった。
あと、今回のお話は、
のび太くんがドラえもんに落書きのことを素直に白状すればいいだけの話だったような気がする。
もしくは『スペアポケット』で「とりけしゴム」をこっそり取り出して使えばよかったのに。
のび太くんがムリに隠し事を貫き通そうとしすぎたあまり、問題がさらに拗れてしまった感が否めない。
自分のミスを隠し通そうとするのはいいけど、
そのせいで余計に他人に迷惑がかかってしまっているのはいかがなものか?
今回ののび太くんのように、自分のやらかしを隠そうとするあまり、
アドリブで最善策を思いつくことができないのは、頭の悪い人の典型的パターンをうまく描いているような気がしてなんか好きです。
ちなみに、『らくがおペン』の「らくがお」という言葉は、
イラストレーター等で活躍するみうらじゅん氏が広めた造語である。
22世紀の世界でも、みうらじゅんの作った言葉が「ひみつ道具の名前」として残っていると考えると、
かなり壮大なものに感じてならないのですが、これは自分だけなんでしょうかね?
といったところで、今週のドラえもん感想はここまでです。
●ドラドラニュース●
今週は本編終了後に「初公開!特別映像」と称し、『STAND BY ME ドラえもん 2』の特別映像を5分ほどお送りしました。
思っていたよりも映像の尺が長かったのでびっくりしたぞ。
自分も年内までには『SBMドラえもん2』の2回目を映画館へ見にいこうとは思っているのですが・・・。
■次回予告■
次回の放送は12月31日(木)午後4時半からの大晦日1時間スペシャル。
「超大作特撮映画『宇宙大魔神』」「のび太の結婚前夜」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(ミラクルムービーを撮ってみた&クリスマスはおかしの家で[再])