2020年12月19日放送分 ネタバレ注意!
ミラクルムービーを撮ってみた(アニメオリジナル)
いま、ドラえもん世界でムーブメントを巻き起こしているモノ。それは「ミラクルムービー」だ!
ゴルフクラブで打った紙コップを遠くに置いてある紙コップにスポッと入れてみたり、
後ろでスケートボード・ハーフパイプをやっている少年のリュックの中に空のペットボトルを後ろ向きでの状態で投げ入れてみるなど、
とにかく奇跡的な動画を撮影するのが、いまドラえもん世界においての大ブームとなっているそうです。
まあ、簡単に言っちゃえば、TVのネット動画を紹介する番組やYouTubeなどでよく見かけるアレです。
チャレンジが成功した暁には、動画出演者全員が「イッツミラクル!」と叫ぶお約束もあるぞ!
今回の「ミラクルムービーを撮ってみた!」というサブタイトルも、
YouTubeの動画にありがちなタイトルを意識してつけたような感じもするのですが、
「ミラクルムービー」の存在はあくまでスネ夫くんのテレビに映した状態での紹介にとどまっており、
ドラえもん世界におけるYouTube的な動画サイトの存在はウヤムヤにされていたのは、なんとも『ドラえもん』っぽいというかなんというか。
あの世界にインターネットがあるのかどうかは、まだまだグレーゾーンにしておきたいようです。
でも、インターネットがなかったら、
ミラクルムービーを撮影した外国の人たちがどこに動画をアップしているのかが全くわからないので、やっぱりネット環境くらいは存在しているのでしょう。
もしくは、かつての「おもしろビデオコーナー」みたいにテレビ局に直接動画を送り付けているのかも。
そんなミラクルムービーに影響を受けたジャイアン達も同じような動画を撮ろうと奮闘しますが、
のび太くんが失敗ばかりするせいで、なかなか奇跡の動画を録ることができず、無駄な時間がひたすら流れていく。
その昔、とある作品のキャラが「奇跡というのは起きないから奇跡っていうんですよ」みたいなことを言っていた。
ミラクルムービーだって、そんな簡単に撮れないから「ミラクル」ムービーっていうんですよ。
失敗ばかりしているのび太くんに対し、ジャイアンが怒っていましたが、
この過程も含め、何百回も挑戦して初めて成功するぐらいに難易度の高いチャレンジをするからこそ、
動画を見た全世界の人たちをアッと言わせることができるというものです。
今のところチャレンジは1回も成功してないけど、
ここまでののび太くんのNG集とジャイアンののび太くんに対するパワハラ映像だけまとめたら、それなりに見ごたえのある別な動画がつくれそうではあったぞ。
チャレンジの足手まといになるからと、
ジャイアンからミラクルムービー撮影チームからの戦力外通告をされてしまったのび太くん。
こうなったら、ひとりでスネ夫やジャイアンを超えるミラクルムービーを撮ってやろうと、
ひたすら後ろ向きの状態からゴミ箱に紙くずを入れるチャレンジを繰り返していました。
仮に成功したとしても、まったく興味をそそられなさそうなチャレンジだ!
あと、のび太くんも動画撮影用の家庭用ビデオカメラを持っていたんですね。
親のビデオカメラをこっそり拝借したのだろうか?
今の時代だとスマホで動画撮影をすることもできますが、
アニメ『ドラえもん』の世界ではスマホの存在もグレーゾーンになっており、
劇中ではあまり大っぴらに使われることがなかったりするので、まあそこはしょうがないかと。
同じ国民的アニメである『サザエさん』と同様に、
アニメスタッフ側が「原作の持つ時代背景」に現代の時代背景をどこまで摺り寄せていくのかのギリギリを見守るのも、アニメ『ドラえもん』の大人の楽しみ方のひとつです。
のび太くんのミラクルムービーに対する奮闘を知ったドラえもんが出してくれたのが、『ミラクルレンズ』なる道具。
「このレンズをカメラに取りつけて動画を撮影すれば、いつでもどこでも奇跡的な映像が撮れる」ということで、
さっそくカメラを回してみたところ、
ドラえもんが適当な方向に投げた紙くずがのび太くんの部屋のあらゆる場所に跳ね返ってゴミ箱に入ったり、
目の前のネコを轢きそうになってしまったはる夫が急ブレーキをかけた結果、自転車に乗ったまま一回転をする映像が撮れたりするなど、
たしかに、そこそこの再生数を稼げそうなミラクルムービーを簡単に撮影することができていた。
どうも『ミラクルレンズ』は、『ツキの月』『悪運ダイヤ』のような因果律操作系の道具っぽいです。
原作のドラえもんにあった道具『ドッキリビデオ』を現代風にアレンジした道具って感じもしますね。
ドッキリどきどき大成功。こりゃあ一本取られたよ。バンザーイ!
ただ、「ミラクルムービー」はトリックなしで難しいことに挑戦するからいいのであって、
『ミラクルレンズ』の効果で撮影できたミラクルムービーは、単なるヤラセ映像ってことになっちゃわないだろうか?
ひみつ道具で撮影したミラクルムービーはなんかズルっぽく感じるし、
明らかにCGで作られた心霊映像を見た気分になっちゃいそうな気がする。驚嘆もあんまりできなさそうだ。
知らないうちに『ミラクルレンズ』のついたカメラが回っていたおかげで、チャレンジに成功したとはいえ、
ミラクルムービーのために800回以上も空のペットボトルをバットで打ち続けていたジャイアンや、そのペットボトルを投げる係のスネ夫、
さらには、途中参加のしずかちゃんや安雄まで、成功時にはみんな涙を流して喜んでいた。
「ミラクルムービー」は、難しいチャレンジを成功させる動画を録るためだけにやっているのではなく、
チャレンジ成功時の猛烈な達成感を味わえるのも、ミラクルムービーの醍醐味のひとつなんだと思います。
簡単に奇跡の映像を撮影できる『ミラクルレンズ』もすごいっちゃあすごいけど、
ミラクルムービーは結果と同じくらいに、チャレンジ成功に至るまでの過程も大事だということなんでしょうね。
奇跡的な映像を撮りたいなら『カチカチカメラ』とかでも、それなりのミラクルムービーもどきが撮れそうではありますが、
「達成感なんていらないから、とにかくミラクルムービーが撮りたいんだよ!」という人にとっては、『ミラクルレンズ』は大分うってつけの道具なのかもしれません。
何のミラクルも起きないことを不思議に思っていたドラえもんでしたが、
「のび太くんがドジをしていないことが一番のミラクルだった!」というメタフィクション的なオチにドラえもんが気づいたところで、この話は終わりを迎えた。
劇中でたびたび「のび太くんがドジを踏むシーン」が挿入されてはいたものの、
アニメ『ドラえもん』で、こういうメタフィクション的なオチをやるのははなかなか珍しい。
『ドラえもん』やのび太くんのパーソナルイメージを知っている人が相手なら、なんとか通用するオチではあったけど、
ドラえもんをまったく知らない人がこのお話を見たら「は?」ってなりそうなオチではあった。
「これから産まれて初めてドラえもんを見る」って人は、なるべくこのエピソードを最初に見るのは避けたほうがよさそうです。
普段から奇跡的なドジばかりしているのび太くんは、
ただ動画を録られているだけでミラクルムービーの主人公になれる素質があった。歩くミラクルムービー男だ。
そうなってくると、その昔『こっそりカメラ』の回で、
のび太くんの失敗を8ミリカメラで隠し撮りしていたスネ夫は、ミラクルムービーの先駆けといえるのかもしれません。
常にドジを起こし続けるのび太くんも、
「常に奇跡(ミラクル)を起こし続ける男」と言い換えるとちょっとカッコよくなりそうなので、今後はその異名を名乗ってみたらどうだろうか?
そんなわけで、1本目の感想は以上です。
●ドラドラニュース●
1本目のお話のあとに、12月31日午後4時半から放送予定の「大みそかだよドラえもん1時間スペシャル」の予告映像が。
今年は『超大作特撮映画「宇宙大魔神」』と『のび太の結婚前夜』の2本立て。
はたして、大晦日の夕方にこのシーンが放送されてしまうのだろうか?
クリスマスはおかしの家で(アニメオリジナル)
2本目は2017年12月1日放映分の再放送。クリスマス回です。
Bパートが再放送なのはかなり久しぶりですね。
『おかしの家建築機』でつくった、クリスマスのお菓子の家に閉じ込められてしまったのび太くん達。
物語のだいたいの感想は本放送時に書いてしまったのですが、
ネットを見ていたら、
「スネ夫の家のエアコンの温度が35度まで上がるのはおかしい」
「あんなにお菓子を食べた後にクリスマスパーティーできるのび太くん達はすごい」など、
本放送時の時にはなかった指摘をいくつか見受けられたのが、なかなか興味深かったです。
スネ夫の家はお金持ちなので、
きっとエアコンも家庭用ではなく、35度まで出るお金持ち仕様のエアコンなのでしょう。
のび太くん達がお腹パンパンになるまでお菓子を食べていたのに、
ラストで元気にクリスマスパーティーをやれていた理由はよくわかりません。
スモールライトの解除光線で大きくなった影響で、ものすごく消化が早くなってしまったんだろうか?
あとこれは、本放送の時にも感じたのですが、
のび太くん達は「おかしの家」から脱出するために壁に穴を開けたいのなら、別に掘り出したお菓子を食べる必要は無かったと思う。
おかしの家から脱出するために穴を掘っていたのに、
お腹が膨れて動けなくなっているのは、かなりの本末転倒っぷりなんじゃないのか?
といったところで、今週のドラえもん感想はここまで。
■次回予告■
次回の放送は12月26日。
「ジャイアン反省、のび太はめいわく」「ドラえもんに落書き」 の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(とうめい人間目ぐすり&エレベーター・プレート)