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ドラえもん感想(誕生!?大統領のび太&マッド・ウオッチ)

 

 

 2020年10月24日放送分  ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

誕生!?大統領のび太(アニメオリジナル)

今週の1本目は、11月3日からはじまるアメリカ大統領選にちなんだお話。

いわゆる時事ネタってやつですね。

 

アニメ『ドラえもん』もたまーに時事ネタを取り入れたりすることがありますが、こんな直接的に時事ネタをやるのはけっこう珍しい気がします。

 

 

  のび太くん「ママからおこづかいを断られた」

  ドラえもん「じゃあ、これを使えばいい。ひみつ道具『大統領の本』が登場)」

 

 

と、ひみつ道具が登場するまでの異例のスピーディさも、時事ネタならではの展開かもしれません。

 

 

 

 

『大統領の本』は、「アメリカ大統領就任式の宣誓」をモチーフにした道具で、

本のかたちをしたこの道具に手を置いて宣言をすると「大統領」になることができ、さまざまなルールや政策を実現させることが出来るというシロモノである。

 

 

日本国で発売の商品でありながら

「大統領」というデカいタイトルを出しているところに、

なんとなく「これは、子ども向けの道具なんじゃないか?」と思ってしまう部分がありますね。

 

『大統領の本』も、本来はアメリカだけで売られていたひみつ道具を日本へ輸入して発売しているものだったりするのかも。

 

 

 

 

「自分の好きなようにルールを決められる」といった点では『ポータブル国会』に近いものを感じますが、

 

 

今回のお話は、のび太くんが『ポータブル国会』のように好き勝手にルールを作ろうとするお話ではなく、

あくまでも「『大統領の本』で、だれが町内の大統領になるか?」を選挙であらそう展開のみがお話の主軸となっておりました。

 

 

学校の生徒会長選挙みたいなノリで、みんなの大統領を決めちゃうところが、

いかにもアニメ『ドラえもん』らしくていいですね。

 

 

 

 

「大統領選挙をやる」と聞いて、やたらイキイキと指示をしていた出木杉くんのもと、

まずは大統領立候補者を絞るための予備選挙がおこなわれ、

 

その中で得票数の多かったスネ夫のび太くんが、大統領選へ出馬することに。

 

 

 

金銭面で有利なスネ夫陣営と、

のび太は頼れないけど、ドラえもんがいるなら信頼できる」という理由で投票されてしまったのび太陣営で、この短い大統領選を争うこととなります。

 

 

 

 

ちなみに出木杉くんは「僕は指導者ってガラじゃないし、選挙の裏方に回るよ」と、今回の選挙戦は立候補を見送る形をとっていた。

 

もしかしたら出木杉くんは、「大統領」よりもフィクサーってやつになりたいのかも。

国のトップよりも、国のトップを影で操る存在のほうが、なんとなくカッコいいですからね。

 

ドラえもん』でそういうポジションが似合いそうなのは、出木杉くんしかいない。

 

 

 

 

あと、のび太スネ夫ジャイアンへの投票のほかに、何故かしずかちゃんに一票だけ入っていたのが気になる。

 

 

先にネタバレをしてしまうと、

この一票がお話のオチに関わってくる・・・みたいなことでもなかったし、一体だれが投票したんだろう?

 

この度の首相指名選挙でも似たようなことがあったけど、もしかしたらそれのオマージュネタだったりするのかもしれない。

 

 

まさか、しずかちゃん本人が自分で自分に票を・・・?

 

 

 

 

 

『正かくグラフ』によって支持率も正確に割り出されてしまう、この大統領選挙。

 

 

手製の「のぼり」と「たすき」を身に着け、

『ムードもりあげ楽団』を従えた徒歩遊説による、地道な選挙運動を続けるのび太くんに対し、

 

 

対するスネ夫陣営は、

「カネとコネあり! ほねかわスネ夫なる、謎のキャッチフレーズが載った選挙ポスターを制作するとともに、

「一家に一匹ポニーをプレゼントしてあげる」という公約で女性票も獲得。

 

さらには、相手のブレーンであるドラえもん毒まんじゅうならぬ「毒どら焼き」で買収しようとするなど、

こちらも本気で大統領になろうとしているようだ。

 

カネに糸目をつけない選挙スタイルは、いかにもスネ夫くんらしい。

 

 

 

 

しかし、その「政治とカネ」を地で行く選挙戦を行ってしまった結果、

『ゆっくり反射ぞうきん』を使ったのび太陣営の調査で、有権者への買収行為をあっさりと突き止められてしまう。

 

他の有権者から買収行為の証拠を突き付けられたスネ夫がすっ転んだ拍子に、

アタッシェケースから証拠のどら焼きが見つかるという、絵に描いたような小物っぷりを見せつけ、みじめに選挙戦から撤退していくのでした。

 

 

 

相手のスキャンダルを攻めるやり方は大統領選でもよくあることだけど、ここまでうまく決まってしまうとは。

 

 

それにしても、ドラえもんでも我慢できた「アタッシェケースいっぱいのどら焼き」でまんまと買収されてしまったはる夫くんは、

わりと本気目(ほんきめ)の反省をしてもらいたい。

 

 

 

 

こうして、スネ夫のスキャンダルによる失脚で、

のび太くんが大統領選単独トップになるのかと思いきや、ここまで第三党ポジションであったジャイアン陣営がいきなりの台頭。

 

 

実は、この度の「スネ夫・ショック」によって民衆が政治不信に陥る中、

もうひとりの候補者であるジャイアン「笑顔で子どもを肩車している姿」のスクープ写真が報じられたことによって、

有権者から強い好感を得たのが今回の選挙戦の躍進へとつながったようです。

 

 

ジャイアンは「乱暴者」のイメージが強いため、大統領としての品位を疑問視する有権者も多そうでしたが、

この大胆なイメージ・チェンジによって、ジャイアン陣営はのび太陣営を超える支持率を獲得。

 

 

 

そして、その勢いに乗ったまま、ジャイアンは大統領選挙に見事当選。

ジャイアンはこの町の大統領として君臨することとなったのでした。

 

 

 

 

大統領当選を果たしたジャイアン

宣誓の前に、まずは有権者の皆様へたいしての所信表明をするのかと思いきや、

 

  「俺が大統領になった暁には、ここにいる全員に店の手伝いをさせる」

  「ああそうだ。俺はなーんにも言って無いぞ。ただおまえらが急に俺を担ぎ上げたんじゃないか」

  「(あの子供とのスクープ写真は)手伝ってもらっただけ」

  「俺はこの権力を好きに使わせてもらうぞ!」

 

と、「選挙で大統領になったらこっちのもの」と言わんばかりに、自分の本心をいきなり暴露しはじめてきた。

とんでもない独裁政治だ!

 

 

たぶん、本物の政治家でも同じことを思ってそうな人はたくさんいそうだけど、

ここまで明け透けに本心を語ってしまうのは、さすがジャイアンといったところである。

 

 

 

 

ともあれ、このままジャイアン大統領による町内独裁政権がはじまってしまうのかと思いきや、

ジャイアンの宣誓直前に、まさかのダークホース・ジャイアンの母ちゃんが乱入。

 

 

 

何も知らずに『大統領の本』をひったくってしまったことで、

自覚もまったくないままに大統領になってしまったジャイアンの母ちゃんは、かつての大統領候補・ジャイアンに向かって「家に帰ってお手伝いをしなさい」との政策(命令)を実現。

 

 

さらに、空き地に集まっていた民衆に対しても、

「みんなもこんな時間まで遊んでないで、お母さんのお手伝いをしな」という、世界一平和な政策を発表したことで、すべてはお開きに。

 

 

 

「こうして、ジャイアンの母ちゃんというダークホースの登場により、街の平和は保たれたのであった・・・。(CV:関智一)」

というナレーションとともに、物語も終わっていくのでした。

 

 

 

 

今回のお話は、スネ夫が「仮定の質問はやめてくれよ」と言ってきたり、

スネ夫の買収疑惑を知った民衆が「疑惑の総合商社だ!」と叫んでいたりなど、『Yロウ』の回ばりに政治ネタが飛び出してくる一本でもあった。

 

たぶん、この話は政治により詳しい人が見たら、また新たな発見があるんだろうなあと思います。

 

 

 

でも、今回のお話がそっち方面にばっかり注目が集まって、

怪しいニュースサイトやまとめブログで「今週のドラえもんの風刺がすごいwww」みたいなタイトルの記事が乱造されて、変な広がり方をしたらどうしようという不安もある。

 

 

あくまでも、今回のお話は「時事ネタを取り扱っただけ」という認識で処理していただければ幸いなんですが・・・。

 

 

 

 

 

マッド・ウオッチ(コミックス8巻収録)

2本目は『マッド・ウオッチ(狂時機)』のお話。

特定の範囲の場所だけ時間を早く進めたり、遅くしたりすることができる素晴らしい道具で、のび太くんがママからのお説教の時間を短くしようとするぞ!

 

 

 

この道具の名称は時期によって、

『狂時機(マッド・ウオッチ)』だったり、『驚時機(きょうじき)』などといった呼ばれ方をされていたりするのですが、

今回のアニメでは、カタカナ表記の『マッド・ウオッチ』で完全統一。

 

「『狂う』という漢字は使えないけど、『MAD(マッド)』という表現なら大丈夫」という基準はなんかよくわかりませんが、まあいいんじゃないかと。

 

 

 

 

「特定の範囲の時間の流れを変える」という、特殊な使い道であるこの道具は、

『タンマウオッチ』などの時間操作系の道具に比べると、使用するタイミングが結構難しそうな道具である。

 

ただ、ものすごくヒマになったときなどに、

テレビの映像を高速にしたり、ママのお小言を高速にするのはものすごく楽しそうです。

 

 

 

 

演出の都合上、のび太のママ役の三石さんの声も早送りされていましたが、

早送りされているぶん、三石さんは通常の数倍くらいセリフをしゃべっていそうだった。

 

 

30分アニメに出演するアニメ声優さんは、

台詞の量がどんなに多くてもギャラはいっしょだと聞いたことがあるので、そういう事情を考えると、ちょっとかわいそうに思えてくる。

しかも、早送りだから何を言っているのかさっぱりわからないという事情も重なると、余計に不憫だ。

 

「声優」というお仕事は、本当に大変なんですねえ。

 

 

 

あと、『マッド・ウオッチ』の他の使い方では、

電気ポットのお湯を瞬時に沸かせるのも、かなり有用な使い方だと思いました。

カップ麺をつくろうとして、途中でお湯がなくなっちゃう時ってよくありますからね。

 

やろうと思えば、お風呂のお湯も瞬時に湧かせるのかな?

 

 

 

 

のび太くんの家に遊びに来たしずかちゃんであったが、

のび太くんとの趣味が全くあわなかったせいで何もすることがなく、かなりつまらなさそうにしていた。

 

 

 

本来ならば「女性を退屈させてはならぬ」と慌てなければいけない状況ですが、

今日は『マッド・ウオッチ』を持っているから大丈夫。

 

 

 

部屋の時間の流れをゆっくりにすると、

「止まっているしずかちゃんの顔をずっと観察し続ける」という奇行に走りだしたのび太くん。

 

 

  「怒っているしずかちゃんもかわいいなあ」

  「ふたりでただこうして、向き合っているだけで楽しいじゃないか」

  「ぼかぁねえ、ポカーンと君の顔を見ているだけで、夢を見ているような気持ちに・・・。」

 

と、しずかちゃんの顔を眺めながらこんなことを言っていたのび太くんは、なんだかアブない人に見える。

 

このままだと、今回のお話で一番マッドなのは「ウオッチ」ではなく、のび太くん自身だったという、

きれいなオチがついてしまいそうだ。

 

 

 

 

そして、物語は、

のび太くんが時間の流れをゆっくりにしたまま寝てしまったせいで、外はすっかり真夜中になっていたという終わりかた。

このオチの意味をちゃんと理解するには、小学校卒業レベルの教養が必要だぞ!

 

 

 

しずかちゃんやドラえもんのび太のママのみならず、

原作には出てこなかったパパ(酔っぱらい状態)も参戦して、みんなからお説教をされてしまうのび太くん。

 

 

ママからのお説教を避けたくて『マッド・ウオッチ』を使ったのに、

けっきょく余計に怒られてしまったという、非常にいいオチがついたのでした。

 

 

 

みんなもママからのお説教は、真面目に聞くことにしましょう。

 

 

 

 

といったところで、今週のドラえもん感想はここまでです。

 

 

 

 

 

■次回予告■

次回の放送は10月31日。

「影ぼうしフラッシュ」「ドラキュラセット」 の2本をお送りします。

 

前回の感想:ドラえもん感想(ジ~ンと感動する話&あやうし!ライオン仮面)

次回の感想:ドラえもん感想(ドラキュラセット&影ぼうしフラッシュ)

 

 

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