少年シリウス6月号掲載『怪物王女ナイトメア』最新第18話の感想です。
今週のサブタイトルにある『截頭』は「ギロチン」と読むそうですよ。
【これまでの感想】
ホラー映画「恐怖のバンボロギロチン」の世界に取り込まれてしまったことが判明した前回。
この世界から脱出するためには、この映画の怪物「バンボロ」を斃(たお)すしかない!
ここは映画を視聴済みのヒロくんが活躍するのかと思っていたのですが、どちらかといえば姫様たちはその場に同席していたフランドルに頼っているようだった。
たしかに人間よりも人造人間のほうが記憶がハッキリしてそうとはいえ、なんだか悲しい。
血の戦士なのに、ここ最近は死ぬシーンでしか目立っていないような気がするヒロくんですが、この先活躍できる日はくるんだろうか?
途中で合流した向井(むかい)という男曰く、
怪物・バンボロは「小屋ごと燃やしても平気そうな様子」だったらしいので、やはり映画のシナリオどおりの斃し方じゃないとあの怪物は死なないようだ。
ちなみに、向井は「映画の登場人物でもなく、『恐怖のバンボロギロチン』を見た事もない」とのことだった。
この人は、ただ単に巻き込まれただけのようです。
ならとっとと、映画の筋書き通りにあの怪物をやっつけたいところですが、
映画の重要人物である、バンボロを斃していたヒロインの女性が既に怪物に殺されてしまっていたことが判明。
これは完全に万策尽き果てたか? と思われたものの、
姫様から、
「この娘は本当の意味で生きていない 芝居の登場人物だ」
「そして敵もまた同じ・・・ ならばこちらも芝居を打てばいい」
「誰かがこの娘に成り代わり 芝居として 植木鋏男を斃す」という発案が語られたのでした。
というワケで、姫様がヒロイン役を代行だ!(でも却下された)
映画の世界なので、ホラー映画の定石(セオリー)は守っておいたほうが無難である。
ただ、珍しくノリノリだっただけに、姫様のヒロイン役を見られなかったのはちょっぴり残念だ。
ヒロイン役を断られた後の姫様の不満そうな表情を見るに、やっぱりやってみたかったんだろうか?
というワケで、ヒロくんがヒロイン役を代行だ!
みなさんお待たせしました。ようやくヒロくんに活躍の場が来ました。ただし女装姿ですが。
映画の内容を知っており、バンボロの斃し方ももちろん知っているヒロくんだからこそできる役割である。
同じく映画を見ているフランドルが「ふが」としか喋れなく、ヒロイン役に不向きだったことも功を奏しました。
殺された人の服をじかに着れる度胸の持ち主という点でも、この役はヒロくんがうってつけだといえましょう。
ちょっとした手違いでヒロくんがやっぱり1回殺されてしまうハプニングもありましたが、なんとかバンボロを斃すことに成功。
そして映画の世界が消えゆく中、姫様は向井に「あること」を伝えるのでした。
ここらへんの流れを文章で説明するのはちょっと難しいので、気になる人は本誌なり単行本なりで確認してみてください。
ここで中途半端にネタバレするよりも、自分の目で見たほうが早いです。(手抜き)
こうして、またひとつ怪奇の世界が終わった。
今回の騒動は屋敷にビデオテープが送られたことからすべてが始まったわけですが、
もうそろそろ「送り主が明記されていない宅配の荷物」は受け取り拒否したほうがいいと思う。
なんか新シリーズ始まってから、宅配された荷物から何かが始まっていることが多い気がするぞ。
ただ、王者たるもの「送られてきた荷物からも逃げない」という意識のあらわれもあるのかもしれない。
でもそのうち郵便爆弾とかが送られてくる可能性もありそうだから結構キケンだ。まあ、前シリーズで似たようなモノを送られたことありましたが。
あとビデオテープを送ってきた人物も、せっかくならVHSじゃなくDVDにでも焼いてくれればよかったのにと思う。
まあ、送ってきた人物や光永先生の中で、いろいろとビデオに対するこだわりがあるんでしょうなあ。
映画を見る時は、使い勝手よりも雰囲気を重視するタイプだと見ました。
というわけで、今月の『怪物王女ナイトメア』はここまで。
次号のシリウス7月号は5月25日(土曜日)発売です。よろしくどうぞ。