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【ドラえもん本レビューその116】小説「映画ドラえもん のび太の宝島」(小学館文庫)

 

 ※この記事には「映画 のび太の宝島」のネタバレが多数含まれています。

 本編鑑賞後にこの記事を読むことをお薦めします。 

 

 

 

小説「映画ドラえもん のび太の宝島」(小学館文庫) 

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発行日:2018年2月11日

出版社:小学館

価格:510円(税抜)

原作:藤子・F・不二雄/脚本:川村元気/著:涌井学

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3月3日に公開された映画「のび太の宝島」のノベライズ。

川村元気さんの脚本をもとに、涌井学さんが書き下ろしたものです。

ドラえもん映画のノベライズ本って2011年に出た「新・鉄人兵団」以来なのかな。

 

 

さて、この手の映画ノベライズはどのタイミングで読めばいいのか悩むところですが、

自分が思うに、この本は映画を見た後に読んだ方がいいと思います。

 

何故かというと、

小説版「のび太の宝島」には本編では語られていない映画の補完的なエピソードが多数含まれており、

仮に自分が小説版を先に読んでから映画を見に行った場合、

「あれ?あそこ映画でやらないの?」ってなるんだろうなあ、とこの本を読み終わった後にしみじみ思ったからです。(自分は映画を見た後に小説版を読みました)

 

しずかちゃんが粉袋を持ち上げようと頑張るくだりとか、

ノアの箱舟計画を実行するシルバー船長の独白シーンあたりは、映画で見たかったですねえ。

この小説の内容をすべて映画化できていたら、かなり面白い映画になってたんじゃないかな、とちょっと残念な気分になります。

 

 

本当にここからは憶測なんですが、

川村さんがいざ脚本を書きあげたはいいけど、アニメにしたら思いのほか長くなってしまい、

内容を上映時間109分に何とか収めるためになくなく大事なシーンを切ったのでは・・・と自分は考えています。

 

 

例年の映画で必ずあったオープニングテーマやひみつ道具の紹介が無かったことも、この自分の挙げた憶測に当てはまりますし、

 

もうひとつの根拠として、

近所の川からノビタオーラ号を出航させた時にドラえもんが言っていた「マストが折れてたり、穴が開いてたり・・・」というセリフ。

 

「マストが折れている」くだりは映画本編で何度も触れられていますが、

後者の「穴が開いてたり・・・」のくだりは映画を見ていてもそれが何なのかわかりません。

 

しかし、小説版ではその「穴」というのが、

のび太くんが組み立て帆船を作ってる時にウッカリ船の底に小さい穴を開けてしまった」という説明があり、

その後、映画本編にもあった岩礁地帯で船の底を傷つけてしまい、その小さい穴から海水が・・・という展開に繋がっていきました。

 

映画ラストでジャイアン達が唐突に「未来を頼んだぞー!」と叫んでいたのも、

小説版でのび太くんが「未来はみんなでつくるんだ!」と言っているくだりがあって、おそらくそこに繋げたかったのでは・・・という推測も浮かびます。

 

おそらく、このちぐはぐになっているセリフのつながりが、本編でカットされた痕跡なんじゃないのか?と見ています。

 

 

さらにさらに、一番の根拠として、

 

この小説の一編に、

「ママとけんかして家出したとき、短い時間が何時間にも感じられるようになるドラえもんの道具を使って、何日もぼくが帰ってこないみたいに思わせて、ママを困らせたことがあった。」(作中161ページ)

 

といった言及があるのですが、

これは「時間ナガナガ光線」を使った時のことを言っているのでしょう。

 

そしてこの道具の出てくる回が、映画公開一週間前にアニメ放送されていたのはどう考えても映画と何か関係があった証拠です。

 

実はこの小説版の言及も映画本編に入れるつもりだったし、アニメでもそのことを宣伝する予定だったんだけど、急な内容の変更でやむなくこのシーンをカットせざるを得なくなった・・・。

しかし、アニメの放映スケジュールは今さら変えられなくて・・・・。

 

みたいな裏事情があったんじゃないのか?

ということを、この小説を読み終わった後に感じました。

 

ただ、これはあくまでも自分の中での想像の話なので、本当にそんなことが起きたのかはわかりません。

でも、なんか、そう思っちゃったんですよね。

誰かこのことについて、製作スタッフに突撃取材してくれるネットニュースとか出てきてくれないものか。

出てこなさそうだなあ。

 

 

あと、小説を読んで少しタメになったのは、

自分は映画を見て「実際にシルバー船長はタイムスリップして未来の世界を見に行ってきた」と勝手に思いこんでいましたが、

小説版では、あの光景が「フィオナの残したデータをもとに再現したシミュレーション」であるということになっていました。

 

「シルバーがあの時に地球からコアエネルギーを全部吸い取っちゃったからこそ、あんな未来になったのでは?」とばっかり思ってましたが、

これならツジツマが合う。

 

 

小説版では、未来に戻ったフロック君たちの後日談や、

川村元気さんのメッセージ「刊行に寄せて」も収録されているので、気になった方は読んでみてください。

夫婦海賊・ガガ&ビビのかっこいいシーンも見られるぞ!

 

小説 映画ドラえもん のび太の宝島 (小学館文庫)

小説 映画ドラえもん のび太の宝島 (小学館文庫)