コロコロコミック6月号掲載「ドラえもん物語 ~藤子・F・不二雄先生の背中~(後編)」の感想へ行きましょう。
(前編の感想はこちら:「ドラえもん物語 ~藤子・F・不二雄先生の背中~(前編)」感想! これがむぎわらしんたろう先生のまんが道)
前編では、むぎわらしんたろう先生の漫画家としてのルーツが描かれていましたが、
今回の後編では藤本先生との思い出、そして自身が藤本先生の代筆で「ねじ巻き都市冒険記」を描くまでの物語が語られています。
藤子・F・不二雄先生を知らない今のコロコロ読者たちが読んでもあまりピンとこない内容だったかもしれませんが、コロコロ40周年記念漫画の名に恥じぬ非常に素晴らしい作品でした。
藤本先生との思い出の数々。
読んでいて感じるんですが、藤本先生に対するむぎわら先生の愛が本当に強いんですよね。
特に今回のお話の前半なんて「ひとりの老漫画家と新人アシスタント」という設定のボーイズラブ漫画としても読めそうなくらいでした。(変なこと言ってすいません)
そして迎えた藤本先生の訃報。
この時の出来事をむぎわらしんたろう先生視点でこれだけ細かく語られたのは初めてなんじゃないでしょうか。
闘病中に藤子プロスタッフに向けて書かれた直筆メモや、意識が亡くなる直前まで描いていた「ねじ巻き都市冒険記」の下絵ラフやネームノートも作中に登場。
藤子・F・不二雄先生が偉大な漫画家であることを改めて確認させていただきました。
藤本先生の代わりに大長編を描くことになったむぎわら先生のエピソードも。
「ねじ巻き都市冒険記」は藤本先生の作画と比べると拙い部分も多くありますが、今回の漫画を読んで、あれが当時のむぎわら先生がやれるだけのことを精一杯やった結果だということが十分に伝わりました。
この時の経験があったからこそ、今の漫画家としてのむぎわら先生があるんですよね。
そして物語は現代に戻り、ラストは藤子・F・不二雄ミュージアムで締め。
もしも、この漫画がドラマ化やアニメ化された時は、確実にエンディングテーマは「つなぐ未来へ」が選ばれそうだ。
いや、むしろそれ以外であのエンディングに流す時にふさわしい曲はないでしょう。
そんなわけで、2か月に渡ってお送りしてきた「ドラえもん物語 ~藤子・F・不二雄先生の背中~」は無事完結。
嬉しいことに、今年の夏に単行本が大幅加筆されて発売されるそうなので、この作品をまだ読んでいないという方は是非買ってみてはいかがでしょうか。
余談ですが、この漫画には藤本先生のほかに藤子プロの社長・伊藤善章氏もよく出てくる。
むぎわら先生は世界で一番藤子プロの社長の顔を描いた漫画家だ!
そして、来月からはいよいよ「野球の星メットマン」連載再開&新章に突入!
今月号にその予告が出ていましたが、
どうもメットマンは世界中にウジャウジャいるらしく、空くんは日本代表としてそいつらと戦うことになったそうです。
上の予告カットを見る限り、キャラクターの濃そうな選手も多くいそうだ!
とにかく、来月の連載再開を楽しみに待っています。