3月3日(金曜日)に「まんが道大解剖」という本が発売されました。
表紙を見ればわかるように「まんが道」「愛・・・しりそめし頃に・・・」を特集したムック本ですが、その内容の充実度がとにかくスゴカッタ!
巻頭の表紙絵ギャラリーから始まり、
藤子不二雄Ⓐ先生を始めとする当時の関係者の方々のインタビューや貴重資料の掲載など、「まんが道」読者なら確実にテンションの上がりそうな特集が盛りだくさん。
あと、取り壊される直前のトキワ荘の実際の写真なんかもあったりと資料的価値も十分にあり。
他にも、吉行淳之介氏と三浦朱門氏の「まんが道」解説再録や、「トリビュートまんが道」という企画では、星野泰視・井上三太・松田奈緒子・西村ツチカ・川島よしおらのトリビュートイラストも掲載されています。
本の後半には「漫画少年の歴史」や「トキワ荘の住人の歴史」のコラムなどもあったりと、本当に読んでいて勉強になる一冊です。
「読んでいて勉強になる」といった意味では、この本は「まんが道の副読本」というよりも「まんが道の教科書」と言ったほうがふさわしいのかもしれません。言いすぎかな?
でも、実際この本読んでもう1回「まんが道」を読み返したくなりましたもん。
もちろん、ムック本として「まんが道」「愛・・・しりそめし頃に・・・」の完全ストーリーガイドや詳細なキャラクター紹介などもあるので、
あまり「まんが道」を知らないという方でも楽しめる「まんが道」入門ガイド的役割も果たしているぞ!
・・・大体言いたい事は済んだので、ここからはダラダラと読んだ感想を垂れ流そうと思います。
ちゃんと文章としてまとめようと思ったんですけど、途中で面倒くさくなっちゃいました。ゴメンナサイ。
個人的には、「まんが道を彩った心に残る名言集」のコーナーと、まんが道の舞台となっている1950年代の物価を解説した「まんが道経済白書」のコーナーがお気に入りです。
前者はこういう名言を実生活やTwitter等でサッと言えたらカッコイイと思いますし、後者は普通に物語を理解する上での参考になりました。
昔の「フータくん」とかを読むと、当時の物価と今の物価が違っているせいでお話の流れがよく分からなくなる場面とかあったりするんですよねえ。
藤子不二雄Ⓐ先生のロングインタビューも読み応え十分。「まんが道」はあくまでも漫画ですから、けっこう脚色も多い。
このインタビューでも、例の原稿落とし事件の際について「『ああ無情』の原稿を落とした時は、本当は悔しさよりも64ページ書かなくてよくなった喜びの方が強かった」という藤子Ⓐ先生の発言や、
「まんが道」ではかなりの期間仕事を干されていたように描かれていたけど、
実は原稿落とした後も他の出版社が仕事を入れてきていたので、藤子Ⓐ先生の仕事が無かったのは実質半年くらいだったとか、
その仕事が無かった頃もトキワ荘のみんなでテニスや歌声喫茶で遊んでいたりしてそんなに落ち込むこともなかったなど、あの「まんが道」のシリアスな内容とのギャップに笑ってしまった。
でも、上京直後に上野駅でカメラ盗まれた事件はノンフィクションだったりするからすごい。あれこそ脚色だと思ってたら本当なんだもんなあ。
そして、これまで表に出てこなかった松野喜多枝さんのインタビューが載ってるってのも普通にすごい。
何故今までインタビューを断って来たのかなどの理由こそ書いてありませんでしたが、実のお姉さんという目線での貴重なお話をたくさん知ることが出来ました。
あと「まんが道を電子書籍で読もう!」ってお知らせで思い出しましたが、「愛・・・しりそめし頃に・・・」ってもう絶版になっちゃったんですよね。確か。
だいぶ前に出た本ですし、これも時代の流れなのでしかたありませんが、やっぱり好きな作家さんの本は書籍として手元に置いておきたいと思っているので、残念というかなんというか。
もちろん電子書籍なら場所も取らないし、貴重な作品もすぐ読めるってメリットもあるんですけどね。
あと「時代の流れ」といえば、この前「のび太の新・日本誕生」を見ていたら「ニンテンドー3DSでまんがを描くことが出来るゲーム」なんてものが発売されている事を知ってビックリしました。まさに時代の流れ。
もしも今の時代に満賀や才野が産まれていたら、やっぱり3DSでまんがの練習をするシーンとかが挿入されていたのだろうか?
いや、今時なら作画作業用パソコンとかペンタブなんかを買いこむんだろうなあ、みたいなことを妄想してみたり。
でも、まんが道にパソコンとか出しちゃうと、それこそ「電脳なをさん」のまんが道パロディ回と変わらなくなってしまうな。
はい、ぐだぐだと書きましたが読んだ感想は以上です。とにかく素晴らしい一冊でした。