2016年4月15日放送分 ネタバレ注意!
お箸はのびるよ、どこまでも(アニメオリジナル)
箸使いの悪さをママに叱られてふくれっ面ののび太君。
部屋に戻ってもその苛立ちは収まらず「お箸は面倒臭い」「スプーンやフォークの方が便利」と自分が悪いのを棚に上げて、その怒りをお箸にぶつけます。
終いには「未来では(箸文化は)絶滅してるんじゃない?」と勝手な憶測まで飛び出す始末。
もちろん未来でも箸文化は生き続けていますし、ドラえもん曰く「未来のお箸はかなりの進化を遂げている」とのこと。
そんなわけでドラえもんが取り出したのが「スーパー箸(ばし)」という未来のお箸でした。
スーパー箸。 シンプルながら一度その名を聞いた者の心を離さないすごい名前である。
さて、そのスーパー箸の特徴は前後左右自由自在に動かせるという伸縮自在のフォルム。
これにより、遠くにある物でも一歩も動かずに箸でつまんで持ってくることが出来るという事が出来ます。
「ナゲーなげなわ」の箸バージョンといった感じでしょうか。
さっそくのび太君もスーパー箸を使おうとしますが、どうやらスーパー箸を上手に使うにはコツがいるようでなかなか物をつまむことが出来ません。
ドラえもんですら、あのゴムマリみたいな手でうまくスーパー箸を使っていたというのに!
スーパー箸をうまく使うには、やはり箸の正しい使い方を学ぶのが一番の近道。
ということで、お箸の使い方を正しく教えてくれるひみつ道具ロボット「お箸マスター」が登場。
「やる気あるバシか~?」等の独特な語尾と全体的に割り箸を意識したデザインが特徴だ!
そんなお箸マスターさん指導のもと、正しい箸の使い方講座がスタート。
まずはねぶり箸、寄せ箸、刺し箸、箸渡しなどのやってはいけないお箸のマナーから正しい箸の持ち方までをお勉強。
ドラえもんは定期的にお子さんが見てタメになる情報を教えてくれるのがありがたいですね。(PR)
もちろん、のび太君もメモを取ってお勉強しております。
座学も済んだところでいよいよ実践へ。
お箸で大豆を違う皿に移し替え続ける地味な特訓から、舞い落ちる葉っぱを箸で捕える特訓、飛んでくるピンポン玉を箸で捕える特訓を行います。
大豆はいいとして、葉っぱやピンポン玉なんかの食べ物以外のものを箸でつまむのはマナーとしてどうなんだ?
さらに修行中、お箸マスターさんからも「手で箸を持つでない、心で持つバシ!」「考えるな!感じるバシ!」とありがたいお箸格言が飛び出してきます。
ここらへんはジャッキー・チェン映画を意識してそうだ。
これらの特訓を終え、飛躍的に箸使いが上手になったのび太君。
そして、最終試験?として用意された部屋の外にある焼き魚の骨をスーパー箸を使って綺麗に取ることに成功。
無事お箸マスターさんからのお墨付きを頂き、見事「スーパー箸の免許皆伝」を授かることが出来ました。
免許皆伝の腕試しとばかりに、窓から手を伸ばしてさらに遠くのモノを取ることに挑戦するのび太くん。
いくらなんでも視界の届かない範囲は流石にスーパー箸でも取れないのでは?とも思いましたが、お箸マスターさん曰く「箸の先を感じれば遠くのものも見えるバシ!」とのこと。
その証拠にのび太君は箸の先の気配だけでスーパー箸を商店街まで伸ばし、らくらくと試食用のタコさんウィンナーを取ってくることに成功しました。
これに味を占めたのび太君は、スーパー箸でしずかちゃんの家から自分のために焼いてくれたクッキーを直接つまんでいったり、ジャイアンの家から肉まんをカッぱらおうとするなど、家から一歩も出ずにさまざまな食料を頂いていきます。
スーパー箸に慣れた人は出不精になりそうだ。
しかしその異変に気付いたジャイアンがスーパー箸を手で捕まえた結果、スーパー箸がジャイアンの体ごとのび太の部屋に戻って来てしまう事態が発生。
その結果、スーパー箸の伸縮能力を面白がったジャイアンによって、のび太君のスーパー箸が奪われてしまいました。
そして場所は変わって、ここは夜のスネ夫邸。
スネ夫君が夕食に用意された船盛りを食べようとしていたところ、突如テーブル上に謎の箸が出現!
マグロやハマチの刺身、さらには船盛りに乗っていたカニ1匹まで奪って消え去っていきました。
犯人はもちろんジャイアン。犯行後に自ら電話で「スネ夫、ゴチになるぜ」と刺身への感謝を述べるほどの確信犯っぷりです。
その後もジャイアンはスーパー箸を使って町中の食べ物を寄せ箸、刺し箸、箸渡し
などの箸のマナー違反を万遍なく行いながら強奪していきます。
この盗っ人行為にドラえもんも困り顔。さらにのび太君に至っては「(箸の)マナーがなっていない!」と少々間違った方向に激怒しています。
どうやらお箸マスターさんのお箸特訓によって、のび太君は完璧にお箸脳に洗脳されたようです。
悪い箸使いは許さない!
ジャイアンを倒して自分のスーパー箸を取り戻すことを決心したのび太君は、お箸マスターにその旨を報告。
お箸マスターさんはそののび太君の心意気に心を打たれたのか、自らが使っていたスーパー箸をのび太君に提供します。これで全ての準備は整った!
翌日、ジャイアン宅にやって来たのび太君は「負けた方がスーパー箸を差し出す」というルールの元での果し合いをジャイアンに申し込みます。
この提案に対し、ジャイアンも不敵な笑みを浮かべながらそのルールを合意。
今ここに、男同士の真剣お箸勝負の火蓋が切って落とされるのであった!
そして、ここからお話も変な方向へと進んでいくのであった!!
まずは技勝負。
のび太君がテーブルの上のおにぎりから米粒を摘み取り、見事なタワーを詰み上げたかと思えば、
対するジャイアンもスーパー箸でバケツを丁半サイコロのように器用に操り、製氷皿の氷を見事に詰み上げる芸当を見せます。
さらに対戦場所をのび太君の家に移すと、
のび太君がスーパー箸を伸ばしに伸ばして、北海道のおじさんの自宅テーブルにあったいくらご飯からいくらを一粒だけ拝借するというスゴ技を発揮。
それに触発されたのか、ジャイアンもスーパー箸を伸ばして川でサケを獲っていたヒグマからサケを3匹強奪するという離れ業で対抗!
ここまで来ると、もはや箸使いがどうこうよりもただ単にスーパー箸がすごいだけという気もしてきましたが、
この果し合いの見届け人であるお箸マスターさんはお互いの箸の技量を正当に評価。
そして、のび太・ジャイアンの両者が川中島での直接対決にて全ての決着をつけることを命じました。
川中島と聞いて思いつくのは、やはり武田軍と上杉軍が戦った「川中島の戦い」。
まさかのび太とジャイアンが長野県まで行って戦うのか?と思っていたら、アニメでもよく見かける近所の川の中州が最終決戦の場所でした。
確かにここも川の中の島だ!
しかし、2人の真剣勝負に場所の良し悪しなど関係ありません。
そして、なぜか持参の弁当を片手に構えながらにらみ合う両者・・・。
果たして、その最終決戦の内容とは・・・なんとお弁当デスマッチ!
お互いが相手の弁当の中身を取り合い、先に相手の弁当の中身を全て食べたほうが勝ちという非常に単純明快なルールである!
互いのスーパー箸でチャンバラまがいの事をしつつ、少しずつ着実に相手の弁当を食べていくのび太とジャイアン!
そしてお互いの弁当箱の残りのオカズはいよいよ1つだけに! 先にこのオカズを食したほうが勝者となります。
しかし、両者ともに蓄積された戦いのダメージ、もとい相手よりも早くお弁当を完食しようとクチにオカズを含めすぎたせいで、どちらも最後の一口が出ないという状況に!
こういった文章だと伝わりづらいと思いますが、アニメで見る限りクチにオカズを頬張り続けて戦う両者の姿はものすごく汚なかったです。
正しいお箸マナーやお行儀はどこへ行った?
そうこうしているうちに先に咀嚼を済ませたジャイアンが、いよいよ最後の一口を済ませようとしています。
勝利を確信し笑顔を見せるジャイアン。
未だクチの中のオカズを咀嚼しきれずもはや万事休す状態ののび太。
このままジャイアンのウイニング・イートが決まると思ったその時、ジャイアンの箸先からオカズのギョーザがこぼれるという事態が発生!
慌ててギョーザを箸で掴もうとするジャイアンでしたが、願い虚しくジャイアンのギョーザは川の中へ落水。
そのスキに咀嚼を済ませたのび太君が最後の一口を食べ終え、見事大逆転勝利!
あそこでジャイアンが落水したギョーザを食べる勇気があれば、この勝敗もどうなっていたか判らなかったぐらいの名勝負でありました。
そして、この結果にお箸マスターさんは「ジャイアンは箸の持ち方が正しくなかったから負けた。全ての基本はお作法にあるバシ」と、のび太君の勝利は偶然ではなく必然であった事を解説。
中盤からお箸のマナーから激しく逸脱していた展開も、なんとか「お箸は正しく使おう」というメッセージにうまく着地することが出来ました。
こうしてジャイアンからスーパー箸を取り戻し、名実ともにスーパー箸の達人となったのび太君でしたが、
その日の夕食でスーパー箸を使ったところ、謎の伸びる箸の存在を恐れたママから結局「お行儀が悪い!」と怒られてしまうというオチでした。
未来の世界でも箸文化は当然あると思いますが、未来の世界でもスーパー箸を使ったらやっぱり怒られそうです。
☆
チリつもらせ機(ドラえもんプラス6巻収録)
「ないーーーーーっ!!」
冒頭から響き渡るドラえもんの絶叫!!!
何が無いのかと思ったら、どうやら「今日食べる分のドラ焼きが無かった」ためにあのような絶叫をしていたようです。近所迷惑だ!
しかし、本人にとっては重要な問題。
ドラ焼きを買うためのお金も持っておらず、とうとう追い込まれたドラえもんは「チリつもらせ機」という道具を出します。
このひみつ道具でドラ焼き問題が解決できそうな空気が漂ってきましたが、
何故かドラえもんは「この道具を使うのは恥ずかしい事だ」と使うことをためらってしまいました。
この不自然な行為に疑問を抱くのび太君でしたが、その一方で今度は家の庭からガラスが割れる音が響き渡りました。
ガラス破壊音の発生源はパパのゴルフ練習によるもの。
パパ曰く「あっちへ向かって(ボールを)軽く飛ばしただけだよ」と釈明しますが、
この供述が本当だとした場合、パパの打った球はかなりいびつな軌道を描いたことになり、
「こんなあさっての方向に飛ばすなんてどんだけゴルフ下手なんだ」という事になってしまいますが、本編の流れとは関係ないのでとりあえず置いておきます。
そしてママからは「ゴルフの練習はもっと広い庭に引っ越してからやってください」と苦言を呈されてしまいました。
さらには音が気になって様子を見に来たのび太君からも「広いお庭・・・まぁ無理だろうなぁ」と言われてしまう始末。パパはもう一生ゴルフの練習が出来ないのか?
さて、部屋に戻ってきたのび太君が目の当たりにしたのは自分の顔ほどの大きさのドラ焼きを一心不乱に食らうドラえもんの姿が!
そのデカいドラ焼きはどこから出てきたんだ!??
・・・解説すると、先ほどドラえもんが出した「チリつもらせ機」という道具は、
「チリも積もれば山となる」ということわざのように、大量の同じものからチリほどの量のものを寄せ集めて欲しいものを作り出せるひみつ道具であり、
これさえあれば、理論上死ぬまでドラ焼きに困らない人生を送ることが出来ます。
しかし、いくらチリほどのものとはいえ盗みは犯罪です。
このお話でものび太君が「この道具を使って日本国民全員からひとり1円ずつ集めれば1億2千万円が手に入る」などと提案していましたが、それは単なる犯罪です。
先ほども書いたように「日本中のドラ焼きからチリをちょっとずつ集めて1つのドラ焼きを作る」というのも日本国民1円徴収作戦と本質的には変わりがありません。
そんな罪悪感があったからこそ、ドラえもんはこの「チリつもらせ機」の使用を思いとどまったわけですね。
しかし、そんな便利な道具を使わないというのも少々もったいない話。
のび太君は「チリつもらせ機」の誰も損をしない、平和的かつ有効活用できる方法を模索し始めました。
すると、偶然のび太君の家の前を歩いていた神成さんを見て、早速「日本国民全員から髪の毛を1本ずつ集めて神成さんにフサフサの髪の毛をプレゼントしてあげよう!」というアイデアを思いつきます。
そこそこハゲている人からすればたまったものではないアイデアですが、道具の使用を渋るドラえもんからも許可を貰ったのでさっそく実行。
その結果、みるみるうちに神成さんの頭部に髪の毛が生えはじめ、最終的には歌舞伎の連獅子を彷彿させるくらいの頭髪が生えてしまいました。
普通なら自分の頭が突然フサフサになったら確実にパニックになると思うのですが、当の神成さんは、長髪になった自分に対して意外とまんざらでもなかったようです。
この成功に気を良くしたのび太君。
今度は「自分の勉強目的で使う」と言い、「日本中のエンピツを1ミリずつ集めてこの部屋へ」というとんでもない注文をしてしまいました。
日本にエンピツは確実に数億本はあります。
そんな数億本のエンピツを1ミリずつ集めて部屋に出現させるとどうなるか?
答えは簡単。部屋に出現した巨大エンピツがのび太君の家の屋根をずどんと突き破り、大気圏を超えて宇宙にまで到達します。
おそらく世界最長・最大のエンピツを簡単に生みだせるチリつもらせ機もすごいですが、
その世界最長・最大のエンピツの重量を支えても崩壊しなかったのび太君の部屋の床もかなりすごいと思います。
そして場所は変わり、しずかちゃんの家へやってきたのび太とドラえもん。
チリつもらせ機を使ってしずかちゃんが欲しいものをプレゼントしてあげようとするつもりです。
そこでしずかちゃんが「欲しい」と答えたのは新しいお洋服。
というわけでのび太君はチリつもらせ機に「町中のスカートから1ミリずつ丈を貰って赤いスカートを作る」という注文をしました。してしまいました。
ものの数秒でしずかちゃんの目の前にご要望の赤いスカートが出現しましたが、のび太とドラえもんの関心はもはやそこにはありません。
早速道を歩く女の子のスカート丈をチェックする2人でしたが、1ミリ程度では特に変わったところは見られなかったという結果に。
この結果を受け、何を思ったのかその後も1ミリ丈スカートを7枚ほど乱造したのび太君。
最終的にはしずかちゃんの「もう(スカートは)充分よ!」との声でスカート生産は打ち止めとなってしまいましたが、
「チリつもらせ機」は使い方によっては、盗みからエッチないたずらにまで応用が効くという事が非常によくわかりました。
そういえばしずかちゃんもこの時スカート履いてたような・・・・。
エッチな想像は置いておくとして、
ドラえもんとのび太が更なるチリつもらせ機の利用法を考えつつ空き地の前を通りがかったところ、(いつもの)盆栽の割れる音が!
今回はジャイアンとスネ夫が野球をやっていた際に、ボールで盆栽を割ってしまったようです。
ここらへんはよくある展開なのですが、先ほどの神成さんの髪の毛がフサフサになっちゃった設定がまだ生かされていた事にふいてしまった。
次回登場するときもフサフサのままだったら確実に笑うと思う。
そんなこんなで神成さんからようやく許しを得たジャイアンとスネ夫の二人。
しかし、2人は「俺たちのせいじゃない。空き地が狭すぎるのが悪い」「そもそも日本が狭すぎるんだ」と自分の事を棚に上げ、土地問題に責任を転嫁。
終いには「土地が狭いのはのび太が悪い」という理不尽レベルの八つ当たりをつけ始めてきたので、ドラえもんとのび太は急いで家に逃げ帰ることにしました。
さて、ここでドラえもんは猫のミイちゃんとの約束があったため一旦お出かけ。
部屋にはのび太君、そしてドラえもんが片付けるのを忘れていた「チリつもらせ機」が残されました。
そんなチリつもらせ機を眺めながら、土地問題の事について考えていたのび太君。
そして「チリつもらせ機で自分の家の庭を広げる」というアイデアを思いつくまでにそんなに時間はかかりませんでした。
かくして、「自分の庭が縦×横1キロメートルになるように周りの土地から1メートルにつき1ミリずつ集める」という大胆なアイデアを実現させ、自宅をかなり広々とさせてしまったのび太君。
広い土地を生かし、早速「のび太球場」「のび太ゴルフ場」の建設予定を進めるのび太君でしたが、まずはお母さんに広大な土地を手に入れたという報告をすることにしました。
これでママの喜ぶ顔が見られると思ったのですが、当然ママは何も知らないので無関心のまま。
それどころか、おしょう油のお使いまで頼まれてしまいました。
野比家は広大な土地なので、おしょう油をひとつ買ってくるだけでも一苦労。
これで「あ、あとアレ忘れてたから買ってきて」とお使いに行かせる件を3回くらい繰り返せば立派なコントが成立するのですが、
次にママがのび太君に命じたのは、なんと庭の草むしり。
1キロメートル四方の土地をひとりで草むしりさせられるのび太君!もはや軽い拷問です。
こんなとき、スーパー箸があれば・・・・・。
のび太君が広大な土地に対してのデメリットにうすうす気づき始めた頃、野比家にやってきたのは国のお役人さん。
そう、土地というモノには固定資産税がかかるのです。「ドラえもん」はこういうところがシビアだ!
いきなり身に覚えのない莫大な税金を要求された上に、さらに「のび太ゴルフ場」なる謎の施設の建設に反対するデモ集団までやってきたとなっては、ママももうカンカン。
結局どうにもならなくなってドラえもんに助けを求めるという、のび太君らしいいつも通りのオチとなりました。
☆次回予告☆
次回は「のび太のジャックと豆の木」「みせかけモテモテバッジ」の2本。
EDで流れる「新・日本誕生」の映像が「ギガゾンビを倒すシーン」「ペガグリドラコとの別れのシーン」など、もはやネタバレ全開な映像が流れ始めていて、
「ああ、もうすぐ映画の公開終わるんだなあ」と思わせてくれます。見納めとしてあと1回くらいは見に行きたいですね。