大山のぶ代「私のおもしろ人生 心豊かに生きてみませんか」
出版社:廣済堂出版
初版発行日:1984年2月15日
定価:880円
全276頁
大山のぶ代ガチ勢集まれ!
世間一般における大山のぶ代さんのイメージといえば、
ドラえもんやモノクマの声優さんであったり、実はドラマにも出ている役者さんであったり、アルカノイドのうまい人だったりといろいろありますが、
実は執筆業でも数多くの著作を残している方でして、今日紹介する本も大山のぶ代さんがさまざまな雑誌に連載していたコラムを一冊の本にまとめた内容となっています。
しかし、そのさまざまな雑誌というのが「婦人公論」「素敵な女性」といった雑誌から、
サブカルチャー雑誌の「ビックリハウス」、ゴルフ雑誌の「Green」まで多岐に渡っているため、この本に載っている内容もかなりバラバラ。
この本の中では、「女が一番女である事を証明できるのは、子供を産み、子供を育て、世の中に送り出すことだと思っている。私はそれが出来なかった。
せめてその分として、私の番組を見た子供達に「楽しいなー」と思ってもらえることで、次の世代の人たちのお手伝いが出来ると思って仕事をしている(要約)」と自らの人生論を語っていたり、
「自らのドラ声にコンプレックスを持っていた自分に、私の母親が「演劇部に入ってお芝居をしなさい」とあえて人前で声を出すことを勧めてくれたおかげで、今の自分がある」という、後に道徳の教科書にも載ったお話が載っていたりします。
さらに、夫の砂川啓介さんと交際するきっかけとなった「ヤンキー2人に絡まれていた学生を助けるため、即興で田舎からやって来た夫婦を演じたお話」はその後の大山のぶ代さん関連の著書で何度も登場してくる思い出深いエピソードだったり。
これらのいい話が載っている一方で、
・「自分が入試に行く高校の下見に行ったらオシッコがしたくなってしまった話」
・「プロ野球ニュースの佐々木信也氏が結石が出ずに悩んでいたので、皆で『オシッコのような液体じゃダメだ。もっと粘り気のある液体で押し出せばいい』とのアドバイスを受けて夜中にアレをした結果、無事結石が出てきた話」
・「チ○コが折れ曲がってしまった友人の話」
・「帽子をかぶり、半荘の間に一度も上がれなかったら罰金という家庭内ルール麻雀をしていた所、麻雀に夢中になった某大御所俳優が帽子をむしり取った際にカツラも一緒に脱げてしまった話」
・「ある女優さんが麻雀でテンションが上がって宍戸錠氏の前でほぼ素っ裸の状態になってしまい、横にいた水谷豊氏が顔を真っ赤にした話」
・「桜見学に行ったら天皇陛下に偶然会った話」
などのヘンテコな文章も載っているなど、内容にかなりの振れ幅があるのも面白いところです。
さらに注目したいのが、大山のぶ代さんと豪華芸能人との交遊録。
麻雀小説の大家・色川武大氏との観劇の記録、盟友の黒柳徹子氏や毒蝮三太夫氏と1966年に結んだ約束の話や、
藤子・F・不二雄先生と一緒にゴルフコンペを回った話、ドラえもんの声優陣とのアフレコ中のお遊びの光景・・・
など、さまざまな出来事が大山のぶ代さんの巧みな筆致で面白おかしく書かれております。
正直言って「大山のぶ代さんが書いた本だから」という理由のみで買ってしまった本なのですが、読んでみたら普通に面白かったです。
普段語られない大山のぶ代さんの人となりも書かれていたりするので、少なくとも大山のぶ代ガチ勢の方たちはぜひとも読むべき一冊だと思いました。
あと気になったのは、この本の挿絵の中にところどころ小っちゃいドラえもんが出現してくるところです。
なんだこいつは!?