2019年12月21日放送分 ネタバレ注意!
タイムワープでプレゼントを(てんとう虫コミックス45巻、プラス第4巻収録)
番組冒頭でもアナウンスがありましたが、
今週のアニメ『ドラえもん』はクリスマススペシャル回!(放送時間は通常通り30分)
1本目は「ミニサンタ」と「タイムワープリール」の、2つの原作回をまとめて1本に再構成した内容のお話です。
クリスマスプレゼントに「ニンジンドーのゲーム機(注:任天堂ではない)」が欲しいと語るのび太くん。
(ゲーム機も「ニンジンの形」をしていました)
しかし、野比家にやってくるサンタさんは、
毎年「九九の練習表」「えらい人の話」などといった「ためになるプレゼント」しかくれないので、ここはドラえもんのひみつ道具『ミニサンタ』に頼ることに。
ためしに『ケシケシくん』の漫画本をお願いしてみたところ、
サイズは小さいながらもちゃんとミニサンタからプレゼントをもらうことができました。いカス道具ですね。
自分の欲しいものがその場で手に入ることに味をしめたのび太くん。
「ゲームはクリスマスプレゼントでもらえるから」と、ミニサンタには当初の望みと違う商品「コマブレード」を要求する知略を見せましたが、
ドラえもんから「クリスマスイブは夜だから時刻もそれに合わせる」と言われてガッカリ。
時間が経つのを忘れるために、
しかたなくドラえもんと一緒にしずかちゃんの家へ遊びに行くことにしますが、残念ながらしずかちゃんはちょうど買い物に出ていてお留守。
しずかちゃんの帰りを待ちわび、ひたすらソワソワしていたのび太くんが見苦しいと思ったのか、
ドラえもんは『タイムワープリール』を使って、待っている間の時間を短縮することにしたのでした。
『タイムワープリール』は、
無駄な時間をはぶくことで、効率のいい生活が送れそうな道具だったりするのですが、
「時間をすっ飛ばしても、すっ飛ばしている間に起きたことはちゃんと経験したことになる」
「すっ飛ばした時間は二度と帰ってこない(最重要項目)」など、知らなかった場合にあとで大後悔しそうな特徴もいくつか存在します。
とくに前述の「時間をすっ飛ばしても~」のくだりは、
雪が降っても開催中止にならなかったジャイアンクリスマスリサイタルを舞台に、
「ジャイアンの歌の部分をすべてすっ飛ばしたけど、歌を聞いたときのダメージは残っていた」という事例をあげて、わかりやすく解説されていました。
「すっ飛ばした間に起きた出来事の記憶はしっかりと残る」とかだったら、
学校のつまらない授業や会社のつまらない会議の時などでぜひ使ってみたいんですが、
のび太君たちのリアクションを見た感じでは、どうもそういうオプションはついていないようだったので残念。
『タイムワープリール』は、なかなかにクセのある道具のようだ。
これはあくまでも自分の意見ですが、
「ひみつ道具で無駄な時間をすっ飛ばしたい!」と思うなら、
前述のデメリットがある『タイムワープリール』よりも、すっ飛ばした時間を貯めたり下ろすことのできる『時間貯金箱』を使うことをおススメしたいです。
でも『時間貯金箱』は、
『タイムワープリール』と違って周囲の人を巻き込んで時間をすっ飛ばすことができないっぽいので、そこらへんの違いによってはまた使い勝手に違いが出そうな気もする。
やっぱり「時間すっ飛ばし行為」は、各自の自己責任でやってもらうのが一番面倒くさくない方法かもしれない。
あと、いまTwitterで話題の「100日後に死ぬワニ」に出てくるワニさんに対し、
何も告げずに『タイムワープリール』をプレゼントしたら一体どうなるのかも気になっています。(悪魔的発想)
話が本題からだいぶそれてしまったので、そろそろ再開。
『タイムワープリール』の存在を知ったのび太くんは、さっそくクリスマスイブの夜までワープ。
ミニサンタから「コマブレード(ミニサイズ)」をもらえて嬉しがるのび太くんでしたが、
本物のサンタさんからもらえたプレゼントが「世界のえらい人セット(伝記)」だったので、うれしさもプラマイゼロになってしまいました。
偉人の伝記は、大人になったいま読んでみると結構楽しかったりするんですが、
のび太くんくらいの年齢だと、その魅力に気付くのはまだまだ難しそうだ。
伝記を読むことと、Wikipediaで昔の有名人の記事を読んだりするのは、やってることそんなに変わんない気がすると思うんですがどうですかね?
毎年、クリスマスプレゼントで自分の予想を裏切られ続けてきたのび太くん。
このサンタさんの行為が、
のび太くんの「『タイムワープリール』で来年のプレゼントがどうなっているか見に行こう」という単純すぎる発想、
そして取り返しのつかない悲劇へと、つながってしまうのであった・・・。
「ペン習字セット」「なわとびとダンベル」などといった「毎年恒例のためになるプレゼント地獄」に耐えながら、
『タイムワープリール』を回し続けることで、ついに「ロボペット」をもらうことができたののび太くん。
しかし、その頃にはのび太くんはすっかり大人になってしまい、
もはやクリスマスプレゼントは「もらう側」ではなく「あげる側」になっていたという、現代の御伽噺が発生していたのでした。
ぼくがおとなになったら、このまんがおしまいじゃないか!
(「ロボペット」はノビスケへのプレゼントでした)
のび太くんの「大人になったらもうプレゼントももらえない。毎日ひるねしてあそびくらすこともできない」の言葉がやたらと心に突き刺さってつらい。
ホント、大人になんてなるもんじゃないですわ。(大人の発言)
サンタさんも、彼が中1の時くらいにTVゲームをプレゼントしといてやれば、
のび太くんだって、途中で『タイムワープリール』を回すことをやめていたはずなのに・・・。
全国の親御さんも、クリスマスの時くらいはお子さんの望むものをプレゼントしてあげましょう。
ためになるプレゼントばかりだと、『タイムワープリール』を使ったお子さんが遠い未来の世界で困り果てることになるかもしれませんよ・・・?
このまま万事休すになるかと思われましたが、奇跡的に『タイムワープリール』が故障したことですべてが元通りに。
ちょっと無茶な使い方しただけで壊れる道具ってどうなんだ?とも思いますが、のび太くんが元の世界に帰ってこれたので、まあよかったんじゃないかと。
原作の『タイムワープリール』だと、
そのまま「今ある時間を大切にしようね!」みたいなメッセージを残して終わる感じなんですが、
今回のアニメでは、元の世界にもどったことで一度スルーしたはずのジャイアンリサイタルがまたやってくるというコメディタッチなオチに。
実質2回もあった「クリスマスリサイタル」にしずかちゃんだけ誘われていないの、なんでなんだろう?
いやあ、実にいいクリスマス回でしたね!(1本目の感想おしまい)
●ドラドラニュース●
先週に引き続き、1本目と2本目の間でクリスマスバージョンのドラえもんLINEアイキャッチが流れました。
これ、以前のようにYouTubeにも公式配信されてないので、これも配信してくれたらいいんですけどねえ。
クリスマスに雪を(ドラえもんプラス5巻)
Bパートは2016年12月16日放送分の再放送。今から3年前のおはなしです。
当時の感想を知りたい人は、上のリンクで過去記事を見てください。
金曜日の頃は特番放送の関係で12月第1週にクリスマス回をやっていたりしていたのに、
今年は12月28日まで放送があるのすごい。
去年までは「ドラえもん感想記事、1か月休めるぞ!(島山あらら)」みたいなこと書いてたのに、
今年は年末までドラえもん感想記事が休めないので、嬉しい悲鳴と普通の悲鳴が入り混じった悲鳴を上げています。
同じ道具を何個も持っているイメージのあるドラえもんですが、『オールシーズンバッジ』は1個しか持ってないらしい。
そういや、原作『オールシーズンバッジ』の回でいくつかばらまいちゃってたけど、あのときにほとんど失くしちゃったんだろうか?
「自分のエゴで天候を操作した結果、えらいことになる」というストーリー展開は、
今年公開のアニメ映画「天気の子」の内容にもちょっと似ているなと感じました。
本放送時に「天気の子」はまだ制作すらされてないと思うので、こうして再放送で見ることによって得られた新たな印象だ。
劇中の終わりのほうでも、主人公の帆高くんも自分がやったことを後悔しているシーンがあったので、
同じく自身のやったことに罪悪感を感じて、ご近所中の雪かきをしていたのび太くんは実質帆高くんなんじゃないでしょうか。
帆高くんだって、家出でわざわざフェリーに乗って東京へ行っちゃったりしてるので、のび太くん並みに行動力がある。
きっと帆高くんもドラえもんと一緒に住んでいたら、無人島に家出して10年暮らしたりしていたのかもしれないぞ。
おそらく「天気の子」の内容を上映時間15分にまとめてギュってやったら、今回のドラえもんみたいな話ができあがると思います。(テキトウ)
何はともあれ、雪もちゃんと止んでくれたので、ぶじにスネ夫主宰のクリスマスパーティも開催。
クリスマススペシャルらしい、いい終わり方になったのではないでしょうか。
メリーホワイトクリスマス!(今週のドラえもん感想おしまい)
●スネ夫としげお●
「クリスマスに雪を」の内容をうけて、2人でクリスマスプレゼント交換会。
しげおはスネ夫に「飛行機のおもちゃ(ただし、スネ夫は同じのを持っていた)」、スネ夫はしげおに「金塊」をプレゼントしました。
■次回予告■
次回の放送は12月28日。
「ネズミ年だよ!ドラえもん」「出てくる出てくるお年玉」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(捜査ごっこセット&イースター島のモアイ)