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【R-18】氏賀Y太先生の最新作『デッドフラミンゴ』で、藤子・F・不二雄先生への言及がありました。

 

木々津克之先生の『開田さんの怪談』第1巻(秋田書店)を読みました。

毎回シチュエーションを問わずに語られる開田さんの怪談もさることながら、回を追うごとに性欲がムキ出しになり続けている初瀬くんも充分におそろしい。

そのうち、彼自身が「前にいたクラスの隣の席にこんな人がいて・・・」と開田さんの怪談のネタにされてしまう日が来るかもしれないぞ。

 

 

 

さて本日は、氏賀Y太先生の『デッドフラミンゴ』(三和出版)の遅延へたレビューです。

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マール星の科法をつかわないと、一部見せられない箇所のある表紙が目印です。

 

 

 

今回の単行本には、大きく分けて2つの目玉作品が収録されておりまして、

そのうちの1つが、吸血鬼になってしまったクラスメイトの女の子が自分のもとへ助けを求めにやってきて・・・なシリーズ作「月光椿(がっこうつばき)」前後編+描き下ろし後日談(12P)。

 

「好きな女の子が実は吸血鬼だった」というシチュエーションは、ラブコメ漫画などでも意外とよく見かける設定だったりするのですが、

この作品は「吸血鬼だからどんなにひどいプレイをしても大丈夫」という考えのもとで描かれているらしく、

吸血鬼の彼女が、生きながらにして心臓や脳みそにち〇こを挿入されてしまうといった様々なハードコア描写を思う存分見ることができます。

 

氏賀Y太先生が「ときめきトゥナイト」や「実は私は」を描いたらこういう内容になるんじゃないかと思いながら読むと、より楽しめるかもしれません。

作中に登場するコミュ障な不死身の吸血鬼・椿ちゃんというキャラクターは、先生の代表作「まいちゃんの日常」のヒロイン・まいちゃんに通ずるところがあるなあとも感じました。

 

 

 

もうひとつの目玉は、堀骨砕三先生とタッグを組み、原作と作画をそれぞれ担当したコラボ作品「屋上楽園」「人肛飼育」。

 

 

この異色のコラボの経緯については、氏賀Y太先生が巻末あとがきにて自ら語っており、

それによると、そもそもの着想自体は藤子・F・不二雄先生のとある作品からきているようでした。(以下、あとがきより引用)

 

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 「藤子F不二雄先生が少女漫画の『ラブストーリー』を宇宙人の観点から『人間の求愛と生殖行為』として冷静に観察するというプロットを、あえて少女漫画家さんに作画してもらうというものがありました。」

 「それは本物の少女漫画のタッチで再現した方がより効果的に面白いものであるとのご判断で実現されたものだと思います。」

 「その頭の柔軟さと自由さはとても面白く、感銘を受けた記憶があります。」

 

 

 

このあとがきで氏賀Y太先生がおっしゃられているのは、おそらく「宇宙人レポート サンプルAとB」(作:藤子・F・不二雄/画:小森麻美)のことだと思われます。

ロミオとジュリエット」の大恋愛を宇宙人視点で描いた、実験的短編のひとつです。

 

 

 

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なお、2017年に太田出版から発売された「エロマンガ表現史」(著:稀見理都)によると、

「宇宙人レポート サンプルAとB」は、

今ではエロ漫画の描写としてすっかりお馴染みとなった「膣断面図」を作中で初めて登場させた漫画作品でもあるとのこと。

 

こんな意外なところで藤子F先生が先駆者になっていたとは、思いもしなかったぞ!

 

 

 

そんな抜きツールとしての従来のY太先生の作風も残しつつ、新たな実験的要素も取り入れた非常に意欲的な作品集であり、

藤子・F・不二雄先生へのリスペクトも大いに含んだ、非常に素晴らしい単行本でした。

 

 

 

個人的には、「人肛飼育」に出てきた男子飼育員の「僕」が一番のお気に入り。

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今までそんなイメージなかったけど、氏賀Y太先生がこの手のショタキャラもいけるというのは意外だった。

コラボで見つけた、新たな魅力!

 

 

まいちゃんの日常?無限解剖? 1話 (MOOG COMICS)
 
エロマンガ表現史

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エロ漫画の記事だからって思い付きで「ヘドバンしながらエロ漫画!」さんの文体をマネしたら、似せ方も中途半端になった上に記事作成もいつもより時間がかかりまくるという結果に。ごめんなさい。