年末恒例!
「このマンガがすごい!2018」が今年も発売されました。
この本には、今年はこれを読んでおけば間違いなしな人気漫画がたくさん載っているわけですが、
自分が思うに、本当にすごい漫画ってのは、
こういう人気作品たちにパロディとして使われる作品こそが一番すごいと思うんです。
パロディを描く人も読む人もみんなが知っているような作品だからこそ、パロディとして面白いと通用するわけですからね。
日本全国に住んでいる老若男女みんなが存在を知ってるような漫画作品。これってすごくないですか?
というわけで、
我がブログでも、この1年さまざまな漫画作品から見つけた藤子パロディのみを評価する企画
「この藤子不二雄パロディがすごい!」を今日から全4夜にわたってやりたいと思います。
まあ、去年も同じ時期に似たような感じでやってたやつです。
・勝手に決定!「この藤子作品と関係ないのに藤子ネタが出てくるマンガがすごい!2016」を発表します。(その1)
・勝手に決定!「この藤子作品と関係ないのに藤子ネタが出てくるマンガがすごい!2016」を発表します。(その2)
ルールとしては、
去年12月10日~今年12月8日までに発売された雑誌・単行本の中で「藤子不二雄作品への言及・パロディがあった漫画作品*1」すべてが対象!
ただし、自分が発見できた範囲までなのであしからず。
「ドラえもん(キャラクター部門)」「ドラえもん(設定部門)」「ドラえもん以外」「藤子F・藤子A共著作品部門」「藤子A作品部門」の5つの賞にわけ、
藤子不二雄作品とまったく関係ないのに藤子不二雄パロディをおこなった漫画作品を独断と偏見でたたえつつ、
「この1年間に藤子作品をパロディした漫画はこんなにあったんだぞ~」ということを世間に知らしめようという目的のもとに行われる、非常に素晴らしい企画です。
なお、ちょっと賞が細分化しているのは、昨年やった時に賞の全てがドラえもん関連のパロディで埋まってしまったからです。
ドラえもんのパロディをする漫画作品、ほんと多いんですよ。
そんなわけで今回は、藤子不二雄パロディの比率にあわせて改めて賞を制定し直しました。
というわけで、第1夜となる本日は「ドラえもん(キャラクター部門)」の発表から行いたいと思います。
ドラえもんのキャラを出してパロディを行った作品に贈る、非常に素晴らしい賞であります。
まず、2017年最初にこの部門のノミネートに名乗りを上げたのは、ご存知「イソベやん」!!
現在のドラえもんパロディ漫画界の最先端といえる作品が新年早々スピリッツの巻頭を飾り、存在感をアピール!
ウオー!!
しかし、そうはいかないと新進気鋭の作品も殴り込み!
天下の少年ジャンプから、第92回手塚賞準入選受賞作「Whim(ウィム)」がド直球のドラ〇もんパロディで対抗だ!
さりげなくドラえもん豆知識も加えるなど、テクニックの細かさも見せた!
さらに、今年完結を迎えた「左門くんはサモナー」では「さようなら、ドラえもん」のパロディを披露!
何気に少年ジャンプで「さようなら、ドラえもん」パロディが載るのは、昨年の「磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ~」に続いて2年連続!
このまま前人未到の3年連続パロディなるか!?
おっと、週刊少年漫画誌の王者・少年ジャンプが出るなら、
麻雀漫画雑誌の王者・近代麻雀も黙ってはいられない!
谷和也「はっくん」が藤子作品でパロディしたら一番怒られそうなキャラのパロディに手を出した!
しかも、この回が「アカギ」の鷲巣麻雀決着と同じ号に載ったという奇跡!
世間からの注目が一番集まるであろう号にドラえもんパロディを載せるという蛮勇に、キャラクター部門受賞への意気込みを見た!
今年は映画化も決まった注目作「干支天使チアラット」からもドラえもんネタが登場!
空き地でリサイタルからの~!
レミえもん。(上の画像は作者さんからもらいました)
数あるドラえもんの場面の中から、ネット上で一度は見たことのあるこの顔をパロディするところにセンスを感じる!
漫画の映画化作品つながりで、昨年アニメ映画で注目を浴びたこの作品もエントリー!
はい。間違えました。正しくは漫画アクションに載っていた「この世界の片隅に」の感想を藤子タッチで描いた田中圭一作品の誤りでした。
みんな映画を見て感じたことをエッセイ方式で漫画にしてたのに、ひとりだけパロディ漫画を描いていた田中圭一先生はやっぱりすごい!
詳しい内容は「この世界の片隅に」のファンブックで見れるので、要チェックだ!
さらに漫画アクションつながりで、岡田索雲「マザリアン」のドラえもんパロディも印象深かった!
渋谷のハロウィンを描いた様子の中にドラえもんメンバー!
実際の渋谷のハロウィンでもドラえもんのコスプレをしていた人は結構いたので、リアルな描写だと言える!
そんなドラえもんパロディもあったこの漫画。けっこう好きだったのですが、今年で連載が終わってしまいました。うーん残念。
で、今年で連載が終わった作品といえば、
「To LOVEる -とらぶる- ダークネス」もそのひとつ。
絶世の美女2名からの求愛を受ける結城リト君!
さあ、きみがリト君だったらどっちの女の子を選ぶ!?
新たな恋のライバル登場で波乱の予感!?
この新ヒロインとリト君の恋の行方は、単行本最終18巻で確かめよう!
さて、こうしてドラえもんパロディを集めていますと、
漫画界における「パロディの傾向」というものが見えてきたりするものです。
たとえば、こちら。
「手シリーズ」です。(何か道具を出す時にドラえもんの手っぽくなる)
こういうやつとか、
こういうやつです。
このシリーズは他にも探せばありそうなので、来年以降も探していこうと思います。
そして、手シリーズと同じくらい多く確認されたのがこちら!
壮絶!ラフ絵シリーズ!
なんかラフっぽい感じで描かれたドラえもんが今年は数多くの漫画作品に登場していた!
例に挙げるとすると、
こういうのとか、
こういうのとか、
こういうの(ドラえもんどこにいるのかわからない人向け画像)とか、
こういうのとかです。
これも今年いっぱい見かけました。やっぱりドラえもんは描きやすいですからね。
あとは「ドラえもんっぽいやつシリーズ」なんてのもあります。
こういうのとか、
こういうキャラとか、
こういうのとか、
こういうのとか、
こういうくまえもんとかです。
もはやドラえもんと全く関係ないところがいい。
そんな、さまざまなドラえもんパロディを押し切り、
みごと今年の「ドラえもん(キャラクター部門)」を勝ち取ったのは~!
作中でジャイアンっぽいキャラを出してきた古川一・白戸悠介「虚ろう君と」です!
「ドラえもん(キャラクター部門)」受賞おめでとうございます!
勝手に賞を送らさせていただきます。
まあ、このジャイアンっぽいキャラ(仮称:G君)は、
人間に害を及ぼす「虚人」の例えとして作中に登場したわけなのですが、
その例えのシーンにて、G君が周囲から集団無視にあい、
最終的に心を病んで学校に来なくなるまでの壮絶なドキュメントが描かれていた。
今回「虚ろう君と」がこの部門を受賞できた理由としては、
ただ単純に、モノの例えに藤子キャラを使ったのにあまりにも扱いが悪かったところです。
普通にひどいと思う。
藤子プロは恐らく気づいてないだろうけど、もしも見つかったら怒られるとかそんなレベルじゃすまないことになりそうな気がする。
ちなみに、
12月8日に発売されたばっかりの電子書籍版でもこのくだりはいっさい修正されずに収録されていました。
この記事を読んでいる人たち、このことは藤子プロにはないしょだ!
はい、そんなわけで第1夜は以上となります。
初日だけでも22作品が登場という、かなりのボリュームになってしまいましたが、
これが今年だけでもドラえもんパロディ(しかも、キャラクターだけ)はこれだけあったんだぞという、何よりの証拠です。
明日はどんなパロディが出てくるのか? 期待していてください。
さあ、明日も頑張るぞ~~~!!!
がんばります。