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ドラえもん感想(かがみのない世界&ピンキリ!お宝未来鑑定)

 

2017年11月24日放送分  ネタバレ注意!

 

OPアニメ:大きな絵筆でタイトルロゴ『ドラえもん』の「鈴」の部分を力強く描くドラえもん(新作アニメ)

 

かがみのない世界(コミックス27巻収録)

Q:鏡のない世界で起きそうな困り事を挙げよ。

 

もしもボックス「自分の顔を誰も見たことがない世界」に旅立ったドラえもんのび太くん。

鏡のない世界、もとい「誰も自分の顔を知らない世界」はかなり大変そうだ。

さらにドラえもんによると、この世界には鏡どころかカメラなど、自分の顔がうつるものは一切存在しないらしい。

うーむ。テレビや映画、Youtubeなどといった映像の娯楽がない世界はツラいぞ。

カメラがないとするなら腹腔鏡手術もできないので、この世界の医学はかなり技術が遅れていそうだ。

 

本来なら顔をうつしてくれるガラスだって反射しないため、顔もうつしてくれない。

鏡のない世界のガラスがどういう原理でできているのかわからないけど、「光を反射してくれないガラス」ってことなのだろうか?

これまた、いろんなところで不都合が起きそうなガラスである。

 

自分の思いつく範囲ではこれだけしか想像つかないけど、

さまざまな分野で知識のある人に「この世に自分の顔を知るための道具が無かったらどういうことが起きるの?」という質問を投げかけてみたら、いろいろと面白い答えが返ってきそうですね。

 

そんなややこしいテーマを抱えた本作ですが、

ストーリー自体は「鏡を見たことが無い人に鏡を見せたらどんな行動をとるのか実験してみた→予想通りジャイアン達が面白い行動を取る→それを見たドラのび、爆笑」という、いたってシンプルな構造となっている。

「鏡のない世界に来たのに、何で箱入りかがみはちゃんと鏡として機能してるんだ」とかそんな野暮なツッコミはこの作品には一切存在しないぞ。

いんだよ、細けぇことはよォ~~!!

 

そして物語を彩るは、

鏡に映る自分の姿を10年前に家出した双子の兄貴だと勘違いした通行人の男と、その男に助けを求められた警察官だ!

 

鏡を見て「双子のお兄さんがガラスの向こうに閉じ込められている」と勘違いした警察官は、

ガラスの向こうにいる怪しい警察官(※本当は鏡に映った自分の姿)に向けて銃を向ける!

 

だが、警察官は鏡に向かって銃を向けていたので、

ガラスの向こう側の(鏡に映っている)警察官もとうぜん自分に向かって銃を向けてくる。警察官と通行人はそれを見て自分たちが撃たれてしまうと勘違いしてしまう。

そして、とうとう警察官は相手に向けてピストルを発砲してしまった!

 

おお、コメディの原点みたいな展開だ。

でもちょっと待て。いくら相手が銃を持ってたからといって、いきなり殺しちゃうのはいかがなものだろうか?

ここはアメリカじゃないんだぞ!

 

自動車にもバックミラー等がないので運転が大変だし、道路も毎日が大渋滞。

タチが悪い時の星の子ポロンみたいな世界になってしまう。

やっぱり、鏡のない世界はいいことなんてないようです。

 

割れてしまった箱入りかがみの破片を覗きこみ「こんな顔でも見られるだけマシってことか」と嘆きつつ、

「こんな顔でも~?」とイチャイチャしてきたドラえもんとじゃれあうのび太くんの姿で〆。

 

現職の警官による発砲事件というバイオレンスな展開ののちに、アニメオリジナルのほのぼのとしたオチが描かれましたとさ。

なんかいい話っぽく終わった気がするけど、そんないい話でもなかったような気もするぞ?

 

 

 

ピンキリ!お宝未来鑑定(アニメオリジナル)

2本目のお話は、モノの価値を鑑定してくれる「ピンキリ未来鑑定メガネ」が登場だ。

 

サブタイトルバックはのび太君の0点の答案を万札片手に欲しがるドラえもん達」の絵が描かれているけど、

別に「この道具で高額鑑定してもらった品がどうしても欲しくなってしまう!」みたいな効果があるわけではない。

 

ベレー帽に鼻メガネをくっつけたような見た目のこの道具は、覗いたものが未来ではどのくらいの価値があるか鑑定してくれるというもの。

現代の世界ならかなり優秀な機能をもつドラえもんも、この道具の前では「量産型中古品。残念な一品」情け容赦ないジャッジを下されてしまうぞ。

 

この道具の判断基準は、おそらくドラえもんが生まれた2112年あたりがベースになっていると思われるが、

いくら未来といっても、時代によって価値の変動にもそれこそピンキリがあるはずだ。

藤子F先生のSF短編「自分会議」では、時価3億円の山林がインフレーションや土地の国有化によって価値がどんどん変動していってしまう様が描かれていた。

 

どんなに価値が低いものでも、どんどん未来へ照準をあわせれば、

骨董的価値や、のちに再評価されたりとかで価値が上がる可能性があったりするかもしれない。

 

例の鑑定メガネによって「よくある一品。50円」の鑑定結果がついてしまった安雄くんのヒーロー人形だって、

何万年後に石油が枯渇した世界なら、水3リットルくらいと物々交換できる可能性もあるぞ。

なんか文章が屁理屈っぽくなってきたけど、たぶん言いたいことは伝わってるはずだ。

 

ちなみにはる夫が持ってきたヒーロー人形には「コレクターにも人気の一品。5000円」と高値がついた。

一見すると、先ほど安雄が持ってきたヒーロー人形と同じようにしか見えないけど、足の裏にロゴマークがついているのが違いだったらしい。

そして、そのロゴマークにはブルドッグが描かれているという演出面でのお遊びもあった。

ブルのマーク・・・ブルマァク・・・?

 

その後も、ジャイアン愛用のマイクには「鑑定不能。とにかく汚いガラクタ」という鑑定結果が出たり、

しずかちゃんのハンカチが後にアオデミー賞を受賞する俳優「トム・ハンサム」から貰ったものであることが判明して20万円の価値がついたりする中、

のび太君たちの前に「キツネの置き物を鑑定してほしい」という女の子があらわれた。

 

なんか価値があるものなのか?と思いきや、鑑定は「珍しくもない。残念な一品です」と渋い結果に。

この鑑定結果にさぞかし女の子も落ち込むだろうと思いきや、「やったー!」まさかの喜びの声をあげてきた!

 

この予想外のリアクションに「へんな子だなあ」と首をかしげるドラえもんのび太君でしたが、

その後、何故かのび太くんの家の場所を知っていたさっきの女の子が、のび太君とドラえもんをボロアパートへと連れていく。

そして向かった部屋の先には、足の踏み場もないほどの大量のガラクタの中で睡眠をとる謎の青年の姿があった。

どうやら、この青年はその女の子のお兄ちゃんだったらしい。

 

女の子はこの部屋にあるガラクタをすべて鑑定してほしいのび太君に告げる。

鑑定するまでもないようなガラクタをしぶしぶ鑑定するのび太君でしたが、どれもこれも価値のないゴミばっかり。

こんなゴミを集めて年中ダラダラしている兄貴が一番のゴミってオチなんじゃないのか?

 

しかしこんなしょうもない結果でも女の子は「これで全部捨てられる」とご満悦。

実はこの青年。漫画家志望であると言っておきながら、怖くてまだどこにも漫画を投稿していないという典型的なニートであった。

やっぱりゴミ人間じゃないか!

 

でも、妹ちゃんはお兄ちゃんの描く漫画が大好きで、

いつまで経っても漫画家を目指そうとしない甘えた気持ちに踏ん切りをつけてもらうべく、「漫画の資料用」として集めた部屋のガラクタをすべて処分しようとしていたわけだ。

 

そんな妹の気持ちを知ったお兄ちゃんは心を入れ替えることを決意。

本気で漫画家を目指すことを誓い、ドラえもん達には鑑定料代わりに「自分が作った」というキツネっぽいキャラが描かれた原稿用紙を渡すのでありました。

 

いちおう、未来鑑定メガネが今までに見たことのない反応を示した原稿なのですが、

あまりにも激しいリアクションを見せていたため、のび太君たちはこの道具が壊れたのだとばっかり思っていたようです。

 

そして数か月後。

そんなことなどすっかり忘れていたのび太君がゴロゴロコミックを読んでいたところ、そのキツネの絵が「コンポコポン」というタイトルで新人賞を受賞していたことを発見!

さらにタイムテレビで詳しく調べてみたところ、その「コンポコポン」が未来で大ヒット漫画になっていたことも明らかになった。

まるで、こないだまで放送されていたNHK連続テレビ小説ひよっこに出ていたつぼ田つぼ助先生を見ているようだ!

 

つぼ田先生もドラえもんっぽいキャラが出てくる漫画を描いて一躍人気作家になってたけど、

もしかしたら今回の話の展開も、このドラマをヒントにしてつくられたのかもしれないですね。

 

そして物語は、キツネの絵の真の価値を知ったことで慌ててチリ紙交換のトラックを必死で追いかけるドラえもんのび太君の姿でフィニッシュだ!

別に追いかけなくてもとりよせバッグ使えば一発なのに、それを使う発想すら思い浮かばなかったところに、彼らの必死感がでていますね。

 

 

 

ドラえもん宝島クイズ(最終回)

今週で最終回となったこのコーナー。フルカワくんは映画にも出てくるのだろうか?

 

そんな最後のクイズは「7色の虹より2色多い食べ物は?」というもの。

「7と2、あわせていくつ?」なるヒントを出してもらえたのに、

のび太君が「6」と答えてしまったせいで最終回なのに爆弾が爆発してしまいましたとさ。

答えはこの記事の下のほうに書いておきます。

 

 

 

■次回予告■

次回の放送は12月1日。

「クリスマスはおかしの家で」「やりすぎ!のぞみ実現機」の2本をお送りします。

12月始まったばかりなのにもうクリスマスネタってことは、こりゃもうおそらく大晦日までドラえもんの放送がないってことなんじゃ・・・。

 

ドラえもん フェイス型ハンドミラー(I'm DORAEMON)

ドラえもん フェイス型ハンドミラー(I'm DORAEMON)

 

クイズの答え:給食(7色+2色=9色【きゅうしょく】)