ドラえもん感想（はだかの王様！？ウルトラよろい＆赤いくつの女の子） - 原子おはじき（藤子不二雄作品関連について語るブログ）

２０１７年１０月２７日放送分　　ネタバレ注意！

オープニングアニメ：分身ハンマーで分身して輪唱をするドラえもん（2017年1月13日放送分の流用）

はだかの王様！？ウルトラよろい（コミックス16巻収録）
わさドラでは2008年2月29日に放送済み。
1000話ほどあるドラえもんの原作でも数えるほどしかないひみつ道具が出てこないお話でもあります。

普段いじめられてばっかりのジャイアンに自分からぶつかっていくべく、ドラえもんから「ウルトラ・スペシャルマイティ・ストロングスーパーよろい」（名前が長い）を出してもらったのび太君。
ですが、肝心のウルトラよろいが全く見えず、本当にあるのかどうかすらわかりません。

ただ、ドラえもんから「この鎧はバカには見えないし、バカな人が着ても役に立たない」と教えられたことで、
自分がバカであることを認めたくなかったのび太君は、あたかもウルトラよろいが見えているフリをして「上から着るんだよ」とレクチャーされた通りに鎧を着ていきます。

このことで「もしかしたら自分はウルトラよろいの効果がないほどのバカなのでは？」と不安になるのび太君でしたが、
道中で出会った子どもが持っていたバットで殴ってもらっても全く痛くなかったことで「自分はウルトラよろいの効果が無くなるほどのバカじゃない！」と確信を持つのでした。

ですが、このウルトラよろいは、本当は存在しない全くのデタラメ道具であり、童話の「はだかの王様」を意識したドラえもん流のジョークだったのです。
いくらのび太くんがバカでも、さすがに話の途中で気づくだろと思っていたら、のび太くんがドラえもんの想定を超えるほどのバカだったため、全く気付かずに外へ飛び出してしまったというワケだ。

ちなみに、先ほど子供が持っていたバットはビニールのバットなので、初めから叩かれてもいたくないというオチもあります。

そんなこととはつゆ知らずなのび太くん。
さらに運悪く？「頭にぶつかってきた石灯籠が実はプラスチック製だった」という偶然にも程があるハプニングが重なったことで、ウルトラよろいは本物だと完全に信じ込んでしまった！

そして自信を持ったのび太くんは、みんなの前でジャイアンに対する仕返し宣言を猛アピール！
しかも、ジャイアンに向けて「はたしじょう（果たし状）」まで送ってきた！

学校のうら山でジャイアンが来るのを待つのび太くん。
鎧を着ているハズなのに、風で髪の毛がなびいていることに全く気付いていないあたり、彼はウルトラよろいに相当の自信を持っているようだ。
そもそも、いくら防御力を高めても肝心の攻撃力が変わっていなかったら、ジャイアンは倒せないのでは？

ウルトラよろいを着ている（と思い込んでいる）のび太くんは、このままジャイアンにギッタギタのメッタメタにされてしまうのか？

だが、この自信マンマンの仕返し宣言に、ジャイアンとスネ夫は逆に恐れを抱いてしまった。
「あんな弱虫が急に強気になったのはおかしい」「もしかしたらドラえもんにすごい道具を貸してもらったのでは？」と思慮を深めすぎてしまった結果、
勝負前のシャドーで気合を高めるのび太に対し、ジャイアンは「さっきは悪かった。あやまる」「お前は男らしい奴だ」とまさかの平和的解決を要求してきた！

さっきまでの怒りは何処へやら。
のび太くんもジャイアンから誉められて嬉しかったのか、「いいとも。僕もケンカは好きじゃないからね」とその訴えを快く了承。
こうして両者は無事ケンカすることなく、和解を迎えたのでした。
いやあホント、のび太くんがバカでよかったですね。

今回のこの話から教訓を得るとしたら、「とにかく自信を持つこと」なんでしょうか。

普段はオドオドしているのび太君も、ウルトラよろいの力で自信を持ち、結果的にはジャイアンを謝らせることもできた。

とにかくどんなことでも自分を信じてやっていけば、何かしらの成果が出る。世の中って意外とそういう簡単な感じにできているのかもしれません。

で、のび太くんから強さの秘訣である「ウルトラよろい」のことを教えてもらったジャイアン。
しかし「この鎧はバカには見えないし、バカな人が着ても役に立たない」と教えられたことで、
自分がバカであることを認めたくなかったジャイアンは、あたかも見えているフリをして「上から着るんだよ」とレクチャーされた通りに鎧を着ていくのでした。
あれ、このくだり、さっきも見たような・・・。

さらにバットで思い切り頭を殴られても、自分がバカだと認めたくないばっかりに痛みを我慢して効いてないアピールをし続けるジャイアン！
これでのび太くんから「今度はナイフでお腹を刺してみよう！」とか言われたら、ジャイアンはどうするんだろう？

のび太くんを探して、偶然この現場を目撃したドラえもんは「はだかの王様が２人いた」とただ呆れるのでした。おわり。

赤いくつの女の子（コミックス6巻収録）
わさドラでは2007年4月20日に放送済み。
部屋の片づけ中にのび太くんが見つけた小さな赤い靴。その靴には、ノンちゃんという女の子とのある悲しい思い出が・・・。

幼稚園の頃、ジャイアン達にからかわれた恥ずかしさでノンちゃんを泣かせてしまったのび太くん。
さらに、ノンちゃんの靴を片方だけ持っていってしまうイジワルまでしてしまいます。
のび太くんはすぐに靴を返してあやまろうと思っていたのですが、なかなか顔をあわせる勇気が出せず、

そのうちにノンちゃん一家が横浜の港からおじいちゃんと一緒にアメリカへ引っ越してしまったことを知らされるのでした。

ただ、今の時代だと、アメリカなら船より飛行機で行ったほうがずっと早いのでは？とか一瞬思ってしまうけど、このお話の初出が43年前なのでそこらへんはしょうがない。
あと、引越しの荷物もあるだろうから今の時代でも海外へ引っ越すときは荷物と一緒に船で行ったほうが便利なケースもあるかもしれん。
そもそもタイトルでもわかるように、この話自体が童謡「赤い靴」を意識したお話でもあるので、そこを変えちゃったらダメでもあるか。

とにかく、のび太くんはノンちゃんに靴を返してあげることも、謝ることも最後までできなかった。
のび太くんが幼稚園の頃から今になっても引きずり続けている、つらい思い出である。

「ノンちゃんとのおままごとで出てきたハンバーグが夕食のメニューにも出てくる」

「のび太くんに踏まれてしまった花壇のお花の姿を映す」

など、幼い頃ののび太君の後悔の念を描いたアニメ独自の描写も光っています。

そんな悲しい思い出を変えるため、ドラえもんはタイムマシンでノンちゃんが引っ越した日へ行くことを提案します。
なにげに、これがアニメリニューアル後初のタイムマシン時空間CGお披露目だったりするような。
あれ、リニューアル一発目の「ぞうとおじさん」の時って時空間の描写あったっけ？

「あの時」へ戻ってきたのび太くん。
さっそく家の中にいたノンちゃんに謝りに行こうとしますが、
ノンちゃんから「急に自分の家の中に入ってきたおかしな少年扱い」されてしまったため、「タイムふろしき」でのび太くんもあの頃の姿に戻ります。

ずっと心残りだった赤い靴を返してあげたのび太くん。
さらにノンちゃんに船の中で食べてもらおうと「おかしつめあわせセット」をプレゼントしてあげました。
「しずちゃんの心の秘密」の回でもしずちゃんにも似たようなものをあげようとしてたけど、のび太くんは普段からおやつをためてるのだろうか？

ノンちゃんものび太くんのイタズラを許してくれたばかりか、
これまでの思いが感極まって涙を浮かべてしまったのび太くんに「だいじょうぶでちゅよ。いたいのいたいのとんでけー」と優しい言葉をかけてくれます。
このセリフ、のび太君がずっと抱え続けてきた心の痛みがノンちゃんと会えたことでようやく無くなったことに、かけてるんでしょうね。

もしもノスタル爺がこの現場を見ていたら、確実に「抱けー！抱けー！」と言ってる頃だ。

そのくらい、いい雰囲気のシーンです。

のび太くんに踏まれて元気のなかったお花もいつの間にか元気な姿に戻っていました。

そして、ノンちゃんものび太君に自分の使っていたおままごと道具をプレゼント。
のび太くんはすごく喜んでいましたが、見ようによっては引越しでいらなくなった荷物を都合よく押し付けられたようにも見えるぞ。

こうして、長い間の心残りも無くなって元の時代へ帰るのび太くん。
このまま感動的に終わってもいいのですが、

ノンちゃんから貰ったおままごと道具に対し「またガラクタが増えてるじゃないの！」とママに言われて激高するのび太くんで話を落とすのが藤本先生流のストーリー術だ！

のび太くんと同い年になっているはずのノンちゃん。今は何やってるんでしょうかね。
今の時代の女の子だと、深夜アニメにハマって今頃おそ松さんに夢中だったりして。（偏見）

なお、非公式ではありますが、成長したノンちゃんがのび太の家にやってくる「帰ってきたノンちゃん」というお話があったりもします。

この話を見てノンちゃんロスになってしまった方は、ぜひ検索してみてください。

そういえば、今年は2013年から毎年やっていたハロウィンネタが無かったですね。

　・アニメで描かれるハロウィンから日本でハロウィンが定着したのはいつ頃なのか調べた - カトゆー家断絶

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