※この記事には「のび太の南極カチコチ大冒険」のネタバレが多数含まれています。
本編鑑賞後にこの記事を読むことをお薦めします。
3月4日(土曜日)公開の映画「のび太の南極カチコチ大冒険」を見に行ってきました。
来場者特典のパオパオドラが全3種だったので、同じ日に3回映画を見に行けば1日で全種類揃うだろと思ったのですが、見事に色がかぶってしまいました。
まあ、それはそれとして、とりあえず見た感想をだらだらと書いてみようと思います。
昨年の映画感想記事:【雑記 2016年3月7日】「新・日本誕生」を見に行ってきたので感想をぐだぐだと書く
・本編の感想
はい、今年の映画も面白かったです。
これまでの予告でてっきり今年の映画はドラえもんとのび太君の友情を描くのかと思っていたら、どちらかといえば舞台である南極の描写のほうにかなりの力を入れている作品でした。
作品のテーマに対して設定を詰めるやり方は藤子・F・不二雄先生原作時の大長編っぽくていい。
特に南極でのドラえもん達とジャイアン達と犬ぞりのレースのくだりがお気に入り。あのシーンで流れているBGMがかっこいいんですよねえ。
あんなにかっこいいBGMなのに、やってることはピーヒョロロープを使った犬ぞり競走でしかないというところも。
他にも、ヒョーガヒョーガ星の距離を「地球から10万光年」という設定にしておくことで、10万年後の地球から天体望遠鏡でその後の星の様子がわかるというのもよかったです。
ただ、不満点としてはゲストキャラであるカーラとの交流が少なかったように感じたのと、あとはブリザーガを倒した後のクライマックスでもう一盛り上がりほしかった。
ブリザーガを倒した後に「そうか、これで終わるのか」と少し物足りなく思ってしまったんですよねえ。
でも、映画の出来としては全然よかったので、まだ見に行ってないって人はなるべく時間を作って見に行ったほうがいいかと。
・ニセドラえもん
というわけで、氷の中で10万年凍っていたのはドラえもんじゃなくて怪鳥ヤミテムのほうでしたー。
みんなも予告を見てドラえもんが凍ってると思ってたでしょう? 自分も思ってた。
あのペンギンロボはドラえもんに成り済ます悪いやつでしたが、初対面であるドラえもんの性能を完全にコピーしたり、10万年凍らされていた状態でも瞬時に再起動可能な点などから、
もしかしたらあのペンギンロボはドラえもんよりも性能いいんじゃないかとも思ってしまった。本物のドラえもんは口封じの能力とか持ってないわけですし。
あと、ヤミテムはあそこでもうちょっと感情を抑えることが出来ればジャイアン達を騙しとおせたはずなのになあ。メンタルが弱すぎるぞ!
ただ、本物のドラえもんはニセドラえもんと違って努力が出来ます。
その証拠に今年の映画では、押入れの中で南極の海流や歴史について予習をするドラえもんの姿が描かれておりました。
例年の大長編や学習漫画シリーズでは、主に説明役のポジションに回ることの多いドラえもんですが、実は裏でこういう勉強をしていたのかと思うと非常に感慨深いです。
・ゲストキャラとゲスト声優
今年のゲストキャラ・カーラとヒャッコイ博士を演じたのは釘宮理恵さんと浪川大輔さん。
ドラえもんで釘宮理恵さんといえば「のび太を愛した美少女」の回で出てきたルリィちゃん役でお馴染みですし、
ドラえもんで浪川大輔さんといえば「ヤキイモの気持ち」の回で出てきたヤキイモ役でお馴染みです。
つまり今年の映画はドラえもんに出演経験のあるおふたりが出ていたってことですな。
そして、ゲスト声優として怪鳥ヤミテムとオクトゴン役をお笑いコンビ・サバンナのお二人が。
南極カチコチ隊の織田信成さんと浅田舞さんがパオパオたちの声を演じ、そして歌手の平原綾香さんがラスボスのブリザーガの声を担当しております。
非常に豪華な顔ぶれですが、ゲスト声優さんがことごとく日本語のセリフを喋らせてもらってないのが少し気になる。
新魔界の時みたいにゲスト声優さんが主要キャラを演じるってのもアレですけど、さすがにもう少しいい役は無かったのかなあ。
映画冒頭の野比家の居間で流れているテレビに出てくる人の役とかあっただろうに。ただ、これも扱いとしてはどうなんだ?
あと、映画を何回見ても平原綾香さんがどこでブリザーガの声を出していたのかがよくわからなかった。
多分、ブリザーガ登場時に後ろで流れていたバックコーラスが平原綾香さんの声だと思うけど、あれは果たして「ブリザーガの声」なのか? BGMじゃないのか?
公式サイトによると「仕上げの編集作業でいろいろ変更があった」とのことなので、あとでちゃんとした製作裏話が聞きたいところですね。
・古代ヒョーガヒョーガ人
そんなブリザーガを作ったのが古代ヒョーガヒョーガ人。
荒れ地を耕すような目的でブリザーガを作ったのはわかりましたが、何故古代ヒョーガヒョーガ人は南極にほとんど完成状態のブリザーガを放置したまま消えてしまったのか?という点が謎として残ってしまいました。
ここら辺は勝手な推測ですが、「自分たちが住みやすいようにいつもの様にブリザーガを作ったけど、別にブリザーガ使わなくても住めそう」と気づいたから放置したってことなのでしょうかね。
で、暴走したらあぶないから人が入らない様にヤミテムとかオクトゴンを守衛に置いたと。
だったら、ちゃんと処分してからどこかに行きなさいよ!(そもそも、あそこに住んでいたはずの古代ヒョーガヒョーガ人は何処へ消えてしまったのだろう?)
自分たちが作ったけど結局は手に負えなくなって隔離。
現実社会でも環境問題や原発問題とかにも通じそうだ!と思ったけど、そこらへんの話に繋げると何だか辛気臭くなりそうなのでここでは自粛しておきます。
映画パンフレットの監督インタビューによると「大人の皆さんにも懐かしく思い出してもらえるよう」にと、
今年はピーヒョロロープやここほれワイヤーなど、原作初期に出てきたひみつ道具が多数登場している。この心遣いは大人の方だけじゃなくファンにとっても嬉しいんじゃないでしょうか。
「さがし物ステッキ」*1に自我が芽生えていたのもイイですね。落ち込むさがし物ステッキもかわいい。
「驚音波発振式害獣撃退器」は例の「長い名前の道具」のオマージュ。あれを攻撃の武器にするとは。
そして、特筆すべきは新しく出てきたひみつ道具「急速冷灯」のパワー。なんてったって急速冷灯で凍らせた対象物が10万年経っても溶けていなかったのは普通にすごい。
凍らせた場所が南極の地下だったからって好条件もあったからだろうけど、もしも砂漠とかでペンギンロボを凍らせても10万年溶けないのか試しにやってみたいです。
あと、氷年代そくてい機や極地探検ソリなど、やたら南極での使用に特化したひみつ道具も多数出てくる。2017年の東京に住んでいたらこれらの道具を使うことはあんまり無さそうだ。
たぶんこれも、ドラえもんが南極や氷山に行くことを見越して事前に入手していたものなんでしょうなあ。
そして、ドラえもんが四次元ポケットから出す描写のあったものの中ではおそらく最大ではないかと噂される*2「氷底探検車」。
ドラえもんが四次元ポケットから氷底探検車を取り出すシーンはまさに圧巻である!
これも2017年の東京に住んでいたら絶対に使わなそうな道具ですし、お値段も普通の乗用車より高そうな気がするので、恐らくどこかからレンタルしてきたものなのでしょう。
まあ、南極の地下で壊しちゃったんですけどね。
その他気になった&気付いた事
・今年映画館の売店で売っていてほしかったグッズ第1位「星型マークの電池」(ちなみに去年は「犬笛」)
・「氷難(ひょうなん)」というワード。12月9日放送のドラえもん「チュー難の相に気をつけろ!」にも出てきてますね。隠し映画コラボだ!
・本編開始10秒でサバイバルスーツがジャングル黒べえスタイルな事に気づいて笑ってしまった。でも、あのサバイバルスーツの元ネタにに気付く人は結構少なそうだ。
・冒頭でカーラが名前を1回発するだけなので皆さんは覚えてないかも知れませんが、ヒャッコイ博士が乗っている方の緑色のパオパオは「テクテク」という名前です。聞き取りが間違っていなければ多分これで合ってるはず。
・「モフスケの体が冬眠で青くなったり耳が欠けたりしたのはドラえもんリスペクトだ!」という意見をネット上で見た感想で初めて気づきました。遅い!
・恒例の「のび太「ドラえも~ん」→OP」の流れが、今年はかなりヌルッとした始まり方だったので意表を突かれてしまった。今年も叫ぶのかと思ってただけにこれは意外だった。
・ヒャッコイ博士が寝ているシーンで机の上に置かれているワイングラスがシビンみたいな形をしていたのが気になりました。本当にそんな形をしているので、2回目見に行くって人はそこにも注目してみてください。
・ふかふかスプレーで作った氷のソファー。座ったらお尻が濡れそうな気がするんだけど、そのへんどうなんだろう?
・ふかふかスプレーをブリザーガに吹きかけた際、氷でできているブリザーガの体もふかふかになっていたのかしら。
・ユカタンが10万年間凍っていたモフスケと出会った時はかなりビックリしたはずだと思う。ユカタンはモフスケから自分が10万年凍らされることを事前に知らされていたのだろうか?
・小原乃梨子さんの息子であり、毎年映画ドラえもんに作画で参加されているアニメーター・戸部敦夫さんの名前が今年は無かった。他の仕事が忙しかったのだろうか?
他にも何か書きたかったことがあったかもですが、とりあえず今映画を見て書きたい事は全て書いておきました。
後は約1年後にやるであろう地上波放映の時のTwitter実況の時にいろいろ言おうと思います。
そして、毎年恒例となっている来年の映画予告がありましたが、何だか「のび太の南極大冒険」を思わせる内容でした。
>ズバリ「のび太の南海大冒険」!!
>仮にスーパー大穴の予想が的中したら、自分の名前を明日から「預言者銀河王」に変えてやろうと思います。
ど・・・どうしよう・・・。
でも、まだ来年の映画が完全に「南海大冒険」と決まったわけではない。
そもそも「南極カチコチ大冒険」と「南海大冒険」じゃタイトル被りすぎでしょう!? だから絶対違う映画だ!!
なので、この公約も今の所は保留! どうせ自分がこうして話題に出さなければこんな公約覚えてた人もいなかっただろうし!
というわけで、1年後に自分の名前がどうなっているかは来年の映画次第です。
来年の映画「南海大冒険」じゃなければいいなあ・・・。