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【ドラえもん本レビューその89】点字絵本 ドラえもん ケンちゃんの冒険

点字絵本 ドラえもん ケンちゃんの冒険

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発行所:社会福祉法人全国心身障害児福祉財団

    子どもと障害者のふれあいキャンペーン実行委員会

発行日:1981年7月1日

頒布価格:980円

アニメ作画:シンエイ動画

全36頁

 

1981年の国際障害者年記念のキャンペーンとして作られたアニメ映画「ドラえもん ケンちゃんの冒険」点字絵本。

 

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目の不自由な子にもこの本を楽しんでもらえるように「凸印刷」という特殊な印刷方法でイラストの主線に凹凸が作られていたり、

作品の文章に点字が打ってあったりと様々な工夫がほどこされています。

この本には「値段」ではなく「頒布価格」と書かれていたので、一般書店での販売とかではなく、どこかの図書館や施設とかに配布されていた本なのかもしれません。

 

 

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内容は、のび太君のクラスに転校してきた車椅子の少年・ケンちゃんがドラえもん達と一緒に三千年前の新生代へ蝶とりに行くというお話。

月並みな感想になってしまいますが、終盤の自分の力だけで立ち上がるケンちゃんのシーンが非常に格好よかったです。

 

ドラえもん点字絵本というだけでも充分珍しい一冊なのですが、

「ケンちゃんの冒険」は現在に至るまでソフト化されていない作品ですので、絵本とはいえその作品の内容が描かれているこの本はかなり貴重なものなのではないでしょうか。

ただ自分も、この「ケンちゃんの冒険」を見る機会にまだ一度も恵まれていないため、この本に描かれている内容が本当に映画そのままのストーリーなのかはわかりません。

多分お話の展開自体はこれであってるんだろうけど、ページと文字数に限りのある絵本なので細かい部分が大分カットされていそう。

動画サイトなんかでもこの手の映像は転がってなさそうだし、どこかで本編が見れる場所ないかなあ。 

 

 

 

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さらにこの本には第2部として「ふれあいエチケットブック」なるものも併録。

障害を持つ子供と障害を持っていない子供たちが互いに仲良くできる方法を教える学習ツールのような役割を果たしています。

 

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そして、この「ふれあいエチケットブック」には読んでいて普通にためになる事ばかり書かれています。

確かに他人の力を借りることも大切ですが、何でもかんでも人に頼ってばかりもよくないですわな。

 

 

 

で、この本はネットで検索してみてもあまり内容についての情報が無かったので、

ここからは「この本を手に入れたい!」と思った方向けとして気になった情報を2つほど。

これらの情報が既に「もう全部知ってるよ!」って感じの内容でしたらゴメンナサイ。

 

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まず、この「ケンちゃんの冒険」の絵本は健常児用と障害児用で2種類あるかもしれないという話。

情報源はこの本の中にある「保護者の皆様へ」的なコラムに書かれていたことなので詳しくはよくわかりませんが、

まあ、とにかく2種類あるかもしれないよって話です。

例えば健常者用がシンプルな絵本だと仮定した場合、いろいろ点字とかが打ってあるこの本が障害者用ってことになるのかな?

 

 

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そして2つ目が、もしかしたらこの本に「ふれあいハンカチ」なる付属品がついていたかもしれないということ。

オークション的にこういうのは全品揃っていないと完品にならないですからね。

 

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先程の「ふれあいエチケットブック」でも「ふれあいハンカチ」の日常使用を促す文章があったりするので、頒布時にそのようなハンカチもついてきたのかもしれません。

左の画像のケンちゃんが持っている黄色いハンカチが「ふれあいハンカチ」とやらなのかも。

ただ「ふれあいハンカチ」とかいう名称がついているだけで、別にハンカチ自体はどんなハンカチを使ってもいいよって可能性もありそうなので、これもまあ記憶の隅に置いておく程度でいいと思います。

 

とにかく、謎の残る一冊であった。おしまい。

 

 

 

【おまけ】いちおう、この本の裏表紙にあった奥付の画像も貼っておきます。

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