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原子おはじき

あさおきて ひるねして よるねた(※藤子不二雄関連の話題をいろいろ書いているブログです)

「ゴッドサイダー」の巻来功士がコロコロコミックに連載を持っていたかもしれないというお話

ちょっと前に巻来功士先生の新作「連載終了!~少年ジャンプ黄金期の舞台裏~」が発売されました。

 

この漫画は「ゴッドサイダー」「メタルK」「ミキストリ」でお馴染みの漫画家の巻来功士先生が自らの漫画家人生を語る自伝的な作品となっています。

作中では、連載当時のジャンプ編集部とのいざこざや、担当編集者との軋轢などのジャンプ黄金期のさまざまな裏事情が描かれていたり、

巻来先生がかつて「ゴッドサイダーサーガ」を連載していたヤングチャンピオン烈のことを萌え系H雑誌呼ばわりしていた事がわかったりなど、なかなかの内容!

ヤンチャン烈が本当に萌え系H雑誌だったら「ブラック・ジョーク」やら「抱かれたい道場」なんて載らないでしょうに!

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そんな中、僕がこの漫画を読んでいて気になったのは巻来功士先生が小学館からの依頼で第一回藤子不二雄賞に応募原稿を描いていた」ということです。

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その際に巻来先生は「ラボット・ブギ」という明るい子ども向けSF作品を投稿したそうなのですが、

審査員の藤子先生から「絵が子供向きではない」という評価を下され見事に落選。賞は取れずに終わってしまいました。

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ちなみにその第一回藤子不二雄では、佳作に「あほ拳ジャッキー」のぜんきよし先生、「迷犬タマ公」の田中道明先生が受賞しているという非常にハイレベルなものでした。

 

とにかく落選はしたものの、その時に名前を覚えてもらったことが幸いし、

巻来先生が漫画家を目指して上京した際に、小学館の編集者さんの計らいでコロコロコミックの編集部を見学させてもらえることとなりました。

この時に偶然出会ったのが、当時「とどろけ!一番」を連載していたのむらしんぼ先生だったのです。

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副編集長さんにご馳走してもらったお寿司屋さんで、コロコロコミックで連載を持つことを勧められる巻来先生でしたが、

元来一匹狼な性格を持つ巻来先生は、当時のコロコロに存在した編集者のチェックのもとで作品を仕上げていく執筆室」の風習や、

連載を持つことで自分が「コロコロの仲間」の一部になってしまうことにどうしても自分を曲げられず、結局コロコロ連載のお誘いを拒否。

「オレは一本立ちした漫画家だーっ!!」と決意を新たに、少年ジャンプ作家への道を邁進。

その後、巻来先生は少年ジャンプ上で「メタルK」「ゴッドサイダー」などの独自の作品を次々生み出していくのでありました。

 

もしもこの時、巻来先生があっさりコロコロコミックへの連載を決めていたら一体どういう作品を作っていたのか非常に気になります。コロコロに「ゴッドサイダー」が載ってたりしていたのだろうか?

現在の巻来先生本人も作中でコロコロ連載を蹴った過去を振り返った際に、

「この時コロコロの仲間になっていれば私の運命はどう変わっていたのか・・・」(P45)

と語っていたりするので、やはり何かしらの後悔のようなものも残っているようです。

80年代のコロコロでもけっこう硬派な作品もあったりしたので、巻来先生の作風でもコロコロコミックと順応しようとすれば出来たと思うんですけどねぇ。うーん。

 

 

とはいえ、前述の「とどろけ!一番」では大ヒットを飛ばしていたのむらしんぼ先生でしたが、

先日発売された「コロコロアニキ」にて、その後の「とどろけ!一番」連載終了の顛末が描かれておりました。 

 

それによると、「とどろけ!一番」の連載を長年続けてきた事により受験格闘技のアイディアが完全に枯渇したため、

思い切って漫画の路線を受験格闘技漫画から本格ボクシング漫画に変えてみたところ、読者からボロクソに文句を言われるという事態が発生。

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路線変更で読者から失った信頼は取り戻せず、結局連載は打ち切り。

つるピカハゲ丸」を連載するまで長く不遇の時代を過ごすこととなってしまった・・・そうです。

 

描いている作者とそれを読んでいる読者。その両方が満足の出来る漫画を作るということは本当に難しい。うまくいかない時は何をやってもうまくいかない。

「連載終了!」やコロコロアニキを読んでいて非常にそう思いました。

もう夜も更けてきたので今日はこの辺で締めたいと思います。おしまい。

 

 

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